豊田市長選について

《愛知・豊田市長に現職の太田氏、4選果たす 「何とか勝ち切れた」》

https://www.asahi.com/articles/ASS247KCVS1ZOBJB00B.html

 いろいろ考えさせられる選挙であった。

 告示前に豊田市長選については1月26日の日記で触れている。

基礎自治体首長論》

https://warusyawa.hateblo.jp/entry/2024/01/26/105107

 上記でも、ワシャは首長は3期12年が適当だと言ってきた。だから4期目に入る太田体制には若干の危うさを感じている。

 太田市長が行政で企画畑を歩いてきた優秀な職員だったことは事実だ。ワシャの持論なのだが、基礎自治体などは、行政に熟知している職員から首長を上げていけばいいと思っている。行政を知らないトップを抱えて失速していった自治体を知っているからね(笑)。

 その点で豊田市はうまく回してきた。行政上がりの市長が4代続き、市政は盤石だ。とはいえ初代の西山氏、2代の加藤氏、3代の鈴木氏、そして当代の太田氏とすんなりと禅譲されてきたわけでなく、保守自民とトヨタ労組、あるいは前の市長などとの確執があってここに至っていることも事実である。

 例えば、大田氏が初めて市長選に立候補するときも、現在の衆議院議員である重徳氏なども巻き込んだごたごたがあって、生みの苦しみを伴う船出だった。

 4代の行政マン市長が、それぞれ地域のドン、保守系政治家、労働組合などの思惑で翻弄されつつも、辛うじて当選し豊田市を創ってきた。このことは、豊田市発展の大きなベースとなっている。

 今回の太田氏4期目の選挙にしても、相手候補はバリバリの自民党世襲県議。義理の父親は元参議院議員で、そこの女婿として入り込んだ人物である。ある意味で上昇志向の強いタイプと見た。今回の「裏金問題」で炙り出された何人かの政治家の雰囲気を持っている。

 経歴を見る限り仕事らしい仕事は書かれていない。「辞めよかな、辞めるのよそうかな」の八木衆議院議員の秘書。社会福祉法人理事という肩書と、自民党愛知県連のドンとして力を振るってきた古参県議(故人)を尊敬していること。北京大学に留学したことなどか書かれている。およよ、親中派だね。

 この候補者なら、大田市長も4期目に立たざるを得なかったか・・・とも思わざるを得ない。そう考えれば豊田市太田市長の4選でよかった。

 しかし、それでも苦言を呈すると、大田市長は3期の間に、変な政治屋に付け込まれないように、市職員のモノのいい部下の中から後継者を育てておくべきだった。そして自身はすんなりと身を引いて、後任市長に影響力を与えていく。そんな立場になれば格好よかったんだが。

そうすれば、世界のトヨタを有する豊田市はさらに発展していくことでしょう。