地震の占い

 こちらの日本列島のマップを見てください。

《今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率》

https://www.j-shis.bosai.go.jp/maps-pshm-prob-t30i55

 2010年を基準年にして、今後30年間に震度6弱以上の地震に襲われる場所が色分けされている地図である。今も「国立研究開発法人防災科学技術研究所」のホームページに掲載されている。

 このクソ地図がらみで、ワシャが2011年に日記を書いている。

《COP17という茶番》

https://warusyawa.hateblo.jp/entry/20111212/1323643147

《世界に誇っていた日本の地震学会だったが、彼らが唱えていた地震予測など、細木数子の言説と大差のないものだったということが白日の下に晒された。(2011年)10月15日に静岡市で開催された日本地震学会全国大会において、会長自らが敗北宣言をした。》

地震学会が唱えてきた地震予知は何の根拠もない学説だということは、かなり昔から囁かれていた。だって、彼らが発表している地震危険度マップで真赤に塗られたところには地震が起きず、黄色やもっと薄い個所ばかりに巨大地震がどんどん起きていた。阪神・淡路大震災以降、その傾向が顕著だ。現場の人間の間では、何年も前から「この地震マップは明らかにおかしい」と言われていたが、日本地震学会は聴く耳を持たなかった。権威という衣をまとって、下々の疑問を封殺してきたのである。》

 おおお、ワルシャワ、いいことを言っている(自画自賛バカ)。

 地図をご覧いただければ一目だが、関東南部から東海、紀伊半島南部、四国にかけて真っ赤というか「どす赤く」なっている。2010年にね。

(※「どす」は色の接頭語で「薄汚い」とか「濁った」ということ)

その後、東日本大震災熊本地震、そして能登半島地震が発生して多くの人命が失われ、甚大な物的被害が出た。ところがこの「防災科研」のマップを見ると、その3か所とも薄く黄色に塗られている。静岡県や愛知県のどす赤く染められた地域に比べれば「ああ、福島県も石川県も熊本県も安全だ」と思うのが当然だろう。

 残念ながら「防災科研」の占いは当たらず、震度7が襲ったのはどす赤いところではない場所だった。さらにさかのぼれば、阪神淡路以降、中越地震能登半島沖地震など、大きな地震はどす赤くないところで起きている。この地図がいかにいい加減なクソ地図だということが解っていただけるだろうか。だから東大教授が敗北宣言をしたわけだ。

 それがまた干支が一回りして、こんなことを言い出した。

《日本地震予知学会が警鐘…!次に巨大地震が起きる「地域の名前」〈地図で一目瞭然〉》

https://news.yahoo.co.jp/articles/aa97220f32649093b1d1e222171982f7d48e5264

 ここで、どこぞの客員教授が嘯いている。

《「いつ、どこで地震が来るのかという情報も大事な地震予測ですが、反対に『起きる可能性は極めて低い』というのもまた、大事な情報です。これから大きな地震が起こる可能性が低い地域は断層の歪みが解消されているところ。たとえば、今月地震が起きた能登半島です。》

 こんなことは断言できない。だが、発展途上の学問であるにも関わらず東海地震で巨額の研究費をせしめた学会は出鱈目をまき散らす。

まともな物理学者の武田邦彦先生は言う。

「『断層のゆがみが解消されているところは地震は来ない』というのは嘘。地震というのは『断層のひずみ』と『亀裂の大きさ』、この2つの要因がある」

 そして残念ながら「亀裂(ノッチ)」については、研究が始まったばかりで、これを基にした地震の予知は、残念ながらまだできない。

そもそもどこぞの客員教授の言っていることは、武田先生クラスの研究者でなくとも、まともな地震研究の本を何冊か読んでいる市井のオッサンでも反論できる話だ。

 2010年1月1日を基準日とした「確率論的地震動予測地図」、これがいかにいい加減なものか、これがどれほどの国民の判断を誤らせたか。そしてこの占いマップで研究者とも言えない学会の徒どもが多くの予算を手にしてきたことか。

地震予知委員会が発足して以来、地震予知はまったくできなかった。それを2011年に日本地震学会の会長が謝罪している。にも関わらず、まだぞろ公金チューチューのための占い師が現れだす。

 まずはこの占い地図の撤回から始めなければ信用回復にはならない。