全国地震動予測地図2018年版

全国地震動予測地図2018年版」が発表された。
http://www.j-shis.bosai.go.jp/%E5%85%A8%E5%9B%BD%E5%9C%B0%E9%9C%87%E5%8B%95%E4%BA%88%E6%B8%AC%E5%9C%B0%E5%9B%B32018%E5%B9%B4%E7%89%88%E3%81%8C%E5%85%AC%E8%A1%A8%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F
 この予測地図、ワシャが防災を業務にしていたころから出されているんで、どうだろう、かれこれ14〜5年前からはあるのではないかいな。しかし、一度たりともこのマップが役に立ったことがない。ずっとそうなのだが、東海地震が心配されている神奈川、静岡、愛知を中心に太平洋沿岸がまっかっかを通り越してドドメ色に着色されている。反対に北陸、新潟などは薄い黄色、岩手、宮城、福島のあたりでさえ、東海地方と比べれば、まったく心配は要らぬかのような色彩で塗られていた。昨年、発生した熊本の周辺でも色合いは薄かった。あのマップを見れば、「おらが町は大丈夫だっぺー」ということになるわさ。事実、熊本では地震が起きる前は、日本一地震の起こらない地域をうたい文句にして企業誘致をしていたくらいだからね。
 しかし、この15年、地震はドドメ色の地域で起こらず、それ以外の場所でしか起きていない。こんないい加減なマップは印刷代がもったいないだけである。日本全国、どこでも地震は起きる。そしてその確率など、現在の地震学では到底はじき出せるものではない。なにしろ地震サイクルと人間のサイクルが途方もなく違っているのだから。地震に言わせたら1万年、2万年程度の差は誤差以下のものだろう。それを人間ときたら30年のスパンで3%の確率を発表しているんですぜ。地震調査研究推進本部事務局がこう説明している。
《「今後30年間にその値以上の揺れに見舞われる確率が3%、6%となる震度」は、ごく大まかには、それぞれ約1000年、約500年に1回見舞われる揺れの強さ(正確にはこの強さを超えるような揺れに見舞われる)に相当します。》
 なにを言っているのか解らない。30年間に1000年に1回見舞われる揺れの強さがドドメ色だったり、黄色だったりするということね。でもね〜さっき言ったように、地球の時間というのは桁が違うので、30年なんていう一瞬の中で、ここが震度6強、ここが震度3なんて予測する方がナンセンスなのだ。ということに地震研究者は気が付いた方がいい。地震の予知はできない、それが現実なのだ。
 もうひとつ、この「全国地震動予測地図」のサイトにたどり着こうと思っても、なんだか面倒くさくて、それにワシャのパソコンが古いせいかなかなか開かない。そりゃぁ130ページ以上の資料を開かせようっていうんだからへっぽこパソコンでは大変ですわ。そういった意味からも危機管理ができていない。大丈夫か、地震調査研究推進本部地震調査委員会。