宿直の宴

《職員45人が“当直中に飲酒”「30年前から飲んでいた」当直以外の職員や町民を呼び出し一緒に飲酒したケースも 熊本・高森町》

https://news.yahoo.co.jp/articles/f4596eeaa5d3c41ce371c360c2cbeace802cb823

 人口5500人余りの小さな山村である。夜間に何があるというわけでもなく、人も来ないし狸もよってくれない。冬になれば宿直室には暖房が入っているが、その他の庁舎は冷え切っているだろう。巡回するのも寒かろう。30年前ではちょっと難しいが、40年前なら地方の自治体の宿直室では毎晩酒盛りが行われていた。そんな大らかな時代だった。

 自治体の職員だったT君は回想する。

 

 庁舎の1階西北の角にある宿直室は、連日、宴会場でしたね。住民の受付があり、その背後に摺りガラスの引き戸があって、その奥が当直者の仮眠室になっているんです。8畳くらいあったと思います。そうするとセンターのテーブルを囲んで10人くらいは座れる。市庁舎の目の前にスーパーもあったから買い出しには不自由しません。当直者の人気のバロメーターということもあって、顔役のような職員のところには入れ替わり立ち替わり職員が押し寄せる。大物になると保育士(当時は保母)なども大挙してやって来る。8畳間に30人くらい入っていたこともありました。庁舎管理担当、宿直の担当でもある庶務課の係長、けっこう厳しいことで有名な職員ですが、その人が顔を出しても、あまりの盛り上がりに何も言えませんでした。

 一番奥で座布団を何枚も重ねて座っている牢名主のような宿直者が「おい、係長、そんなところにしゃっちょこばっていないで、中へ入れ」と声を掛ける。詰めかけている職員もできあがっているから「どーぞどーぞ」と厳しい係長を中へ誘導する。

「いや、しかし・・・」とためらっていると、牢名主から再び声が降りてくる。

「じゃあ一杯飲んでいかんかい(ジロリ)」

 ということで、もともと酒が嫌いじゃない庶務係長はコップ一杯の日本酒をあおり、「では失礼します。宿直頑張ってください」とにこやかに帰っていったのでした。

 いい時代だったとも言えますが、それでトラブルが起きなかったから不思議でしたね。今、そんなことをやっていれば、住民からの通報、あるいは内部のチクりですぐに処分されたでしょうね。(T君の回想終わり)

 

 高森町、田舎だからかもしれないが、未だに当直を職員がやっているんですね。T君のところでは、それこそ30数年前くらいから宿直は委託業務なって、民間の警備会社が代行するようになり、伝統の宿直宴会はなくなってしまいました。

 それを高森町では現在もやっていたとはねぇ。

 まぁご時世が違いますので、今、宿直室での酒盛りは許されません。それはそれとして、小さな自治体では委託に出すこともできず、自分たちでやっていくしかないのも現実。小さな町だから2人一組で宿直していれば1か月に1回は当番が回ってくる。勤務中の飲酒はやってはいけないことですよ。でもね、若干の同情は禁じえません。

 

 こういったことを撲滅する方法はある。簡単だ。5000人とか数万人程度の小自治体を解消すればいいのである。高森町も西側の上益城郡の町村と合併すれば11万都市になる。そうすれば高森役場は出張所扱いになって宿直は要らないし、本庁がどこに置かれるかは分からないが、11万都市ならそこには委託で警備会社が詰めることになるだろう。

 つまり小さな自治体をなくしてせめて10万単位、理想は30万都市と道州で日本を構成していくことが、もっとも効率的な地方自治が実施できると考える。

 そうすればさ、宿直の飲酒なんてチマチマした話ではなく、無能な首長、ぼんくらな議員を大幅に削減することができるのである。

 国政の阿呆議員には大きなメスが入ろうとしている。地方のぼんくらにもこの際、鉄拳制裁をするべきと考える。