《大阪府泉佐野市が非常勤職員の女性を懲戒免職 書類を偽造 約1億5000万円着服か 市長会見で陳謝》
https://news.yahoo.co.jp/articles/145ece2cfd7acc8139f54fbffda9829c6ec4136f
泉佐野市である。後付けで説得力はないが、いつかこういう不祥事が起きるだろうと思っていた。
2012年のことだ。
《市の名前買いませんか? 財政難で崖っぷちの大阪・泉佐野》
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/120322/mca1203220601007-n1.htm
財政難にあえいでいた泉佐野市は、こともあろうに市の名前を売ろうとしていた。トップが「名」のもつ意味の大切さを知らないのである。ものを知らぬトップが、奇抜で目立つことをするために――いくら財政の健全化という御旗があったとしても――自治体の名前を売り払うなどという愚挙を行ってはいけない、と懸念したものである。
その後も、「ふるさと納税」を悪用とは言わないけれど、高すぎる返礼割合にして「寄付金日本一」を取っていく。パフォーマンスが過ぎるというか、やることに品がないというか、政治家になりたくてしかたがない人物が、人気取りのために行政を壟断しているというふうにしか見えなかった。
そしてここにきて1億5000万円もの着服である。まともに仕事をしている普通の自治体なら、これほどの穴は早い段階で必ず気がつく。抜いたのは要介護認定者の住宅改修費、福祉用具の購入費ということだが、これって上限でも20万とか30万円の話で、これを1億5000万円抜こうと思ったら、大変な作業となる。当然のことながら「会計年度任用職員」ということで、要は「臨時職員」だから、その上の担当職員、係長、課長などのチェックが入る。さらに会計課に書類が回り、そこでも担当、係長、課長などのチェックがされる。もうひとつ2年に1回は監査も行われているはずだから、それだけのチェック体制がすべて漏れてしまうというのも不思議だ。
記事に依れば着服した金は、その女性の口座に振り込まれていたということだから、どう考えても同一人物の口座に補助金が重ねて支払われている。これも普通の自治体なら発生しない仕組みになっている。そこも解せない。その期間もけして短くなく平成21年から10年である。これほど長期にわたってずさんな体制が継続してきたんですな。この10年が現市長の任期とオーバラップするんだが、目立つこと、奇抜なこと、センセーショナルなことばかりを進めてきた、ツケがここにきて暴露してきたと考えるのはうがち過ぎだろうか?
まさに1億5000万円の着服は、千代松市長の土台がシロアリに食い荒らされていたということで、これは土台の上の頂点に立つものの責任が大きい。
昨日の日記で《「選良」になりたくてしかたがない輩がいる。そういうヤツが今の「選良(笑)」の多くを占めているので笑うに笑えない。》と書いた。
泉佐野市からも、そんな臭いが漂ってくる。
自治体トップは、パフォーマンスより先に、まず自らの足元を固めろよ。