作家の勢古浩爾さんが周庭さんのことについて書いている。
《周庭さんの現況にひと安心、強大な国家・中国が一人の若い女性を恐れている》
https://news.yahoo.co.jp/articles/76b1173e54acf25330c7fcbd2b9c1e2eb8bec2a6
勢古さんの文章の内容に入る前に、勢古さんの本のことを少しだけ。
勢古さんの著書は本棚に21冊あった。ワシャの本棚は前後2列になっていて、背後の本は木片やプラスチックの箱を棚に置いて嵩上げしてある。こんな感じね。
(写真)
勢古さんの本はすべて前面に出してある。基本的に気に入った作者が前に出るんですね。
勢古さんの視点はホントに普通の人だ。学者、研究者、上から目線の評論家などのように超越した知識人(笑)とはちょいと違う。4年前に出ている『続 定年バカ』(SB新書)では、格好いい高齢者を説く森永卓郎や鳥越俊太郎をバッサリといく。その部分を少し引きたい。
《こういう男はけっこう未練がましい。もうだめよ、と口では言っても、そうは思っていないところがしぶとい。で、「男の私から見」ると、鳥越は、わたしの好きな格好いい男ではないいのだが、女性は案外好きなのかもしれない。どうでもいいが。しかし、「モテる」と並んで「カッコいい」は二大バカ言葉である。》
「筋トレ」を自身でも実践し、「定年後も筋肉をつけること」を勧める京大の名誉教授にはこう言っている。
《ただどんなに頑張ってみても、六十、七十、八十歳の体は、たとえ筋骨隆々としていても、所詮、たるんだ体が締まっただけの筋肉じじいの体だからね。》
こういいうことを言う論者なのである。視点が天邪鬼で、だからワシャは愛読者なのであった。
余談が長くなってしまった。周庭さんのことを書いた勢古さんの文章である。
勢古さんは周庭さんがカナダに亡命したことを喜んでいる。そして、そのことに怒り狂っている香港当局や志那外務省をぼろくそに言っている。
メンツ丸つぶれの香港警察当局は「法に公然と反する無責任な行為を、厳しく非難する」と言っている。さらに保安局長は「絶対に自分のやったことを後悔させてやる」と発言。
これに対し勢古さんは「バカじゃないのか」と突き放す。独裁者の言いなりになっている香港から逃げ出すことがどれほど大変なことか。自由を求める若者のこれからの辛苦も想像を絶するだろう。
支那人、とくに漢人たちはメンツが一番大切なので、メンツのためならすべてを投げ出すことができる。それでも、おまえら香港の権力者側もついこの間まで自由を享受していたじゃないか。「権力」と「自由」を天秤にかけて「権力」を選んだだけで、多くの香港人は「自由」を失っただけとなった。自由を求めた若者には、少しばかりトーンダウンをして「現行法に反している。そのことは非難する」程度に留めておくのが大人じゃねえのか?それを「後悔させてやる」って、保安局長は、チンピラの番長か?
さらに香港政府トップは、「香港政府は全力を挙げて、国家の安全に危害を及ぼすいかなる逃亡犯をもひっ捕らえる」と怒り狂ったんだとさ。
そりゃそうだ、怒っておかないと今度は支那共産党からオメエがこっぴどく叱責されることになるからな。付け加えてこうも言う。
「いかなる逃亡犯も、いますぐ自首することだ。そうでなければ終身、逃亡犯であり続け、終身追われる身となるだろう。香港警察は、本件で寛大な処置を試した。だが恩を仇で返されたのだ」
アホか!いますく自首してみなさいよ。オメエらは周庭さんを独房に叩き入れ、拷問にかけ、人格を破壊し、下手をすると劉暁波氏のように殺されるだろう。己らが己らのしたことを「寛大な処置」と言うならば、習近平への手前もあるのだろうが、少し口を慎め。挙句がこれだ。
「『逃亡犯』は、誠の心を売り払い、同情を得るための言い訳をでっちあげ、自分を正義にみせようとして、恥ずべき行為をした。特区政府は全力でいかなる国家安全に危害を加える逃亡犯を追跡逮捕する」
「誠の心」を棄てたのは支那に香港を売ったオメエらじゃないか!「自由の香港」を「独裁者の植民地」にしたのは、現香港政府、支那シンパどもである。
これに加え、支那外務省の代弁報道官が習近平の憤りを伝えているが、それも含めて、勢古さんは「恥知らずなモノいい」と斬って捨てる。このあたりは気持ちがいい。
最後はこう結んでいる。
《中国は世界2位の大国だと誇っているが、たった一人の若い女性を恐れている。(中略)彼女の願いはたったひとつ。「私はただ自由に生きたい」ということだけだ。》
我々、自由を享受して生きている西側先進国家、その国民は周庭さんに対し、周庭さんの民主の仲間に対して、出来うる限りの支援をしなければいけない。
周庭さんの件については、日ごろ「人権」で火を噴くように大声を上げている左翼連中が静かなのだけれど、なんでだろう?