地獄は、今ここにある

《香港当局、民主派を50人以上逮捕 予備選に関与の米国人弁護士も》

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6381394

 ついに香港が地獄になった。ノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏を殺した志那本土の法律が、香港国家安全維持法(国安法)と名をかえて香港の民主派を襲っている。「香港黒禍暗賤縊死法(黒暗法)」と言い換えたいくらいだ。

 捕えられた善良な人々は血の池や針の山に追い立てられていく。すでに周庭さんは地獄の重罪犯刑務所に移送されてしまった。悲しいけれど、10か月という時間は、彼女の人格や純潔をボロボロに砕いて余りあるほどの長さだ。

 

 1月6日の産経新聞の国際面《闘わねば、自分の顔持てない》という記事がおもしろい。副題は《自由なき香港とムーミン》である。

「香港とムーミン?」

 なんのこっちゃ?と思いますよね。だから読んでみた。記事を引きますね。

《ひどいイジメにあった影響で、顔や体が消えて透明になってしまった女の子が主人公。いろんなアドバイスを受けながらムーミンたちと暮らしていたある日、悪事を働こうとするムーミンパパに、女の子が怒りを爆発させた途端、元の姿に戻ることができた》

 物語はメルヘンだが、これが現在の香港を示唆しているとなると怖い。

ムーミン」の著者のトーベ・ヤンソンフィンランドの人である。当時、ヨーロッパ中に版図を拡大していたナチスドイツの迫害に直面していた。その時に、自由への思いを込めて「ムーミン」を創作したという。

 もう少し記事を引きたい。

《当時、彼女が訪れたドイツで目の当たりにしたのが、密告におびえる市民たちの姿だった。》

《人はおどかされてばかりいると、だんだん姿が見えなくなっちゃうものでしょ》

《闘うことをおぼえないかぎり、あんたは自分の顔を持てません》

 まさに、トーベ・ヤンソンの言うとおりなのだが、残念ながらナチスドイツの脅迫、迫害、虐殺は、少女のいじめのレベルを超えていた。

 ユダヤ人たちは身ぐるみ剥がされ、強制収容所に送られ、地獄の中で、とにかく透明になることに心掛けた。目立てば死ぬ。看守の気に障れば拷問や強姦、その先の死が待っている。そこでは「闘う」などという希望はまったく持てない。「闘う」の最初の「た」で、射殺、撲殺、拷問死、ガス室が待っている。そんな絶望の地獄では、人は透明になる。

 今、香港がそのとば口にある。いやすでに絶望の地獄に足を踏み入れている。民主主義というごく当たり前のことを求めて口を開いただけで、周庭さんは地獄の監獄送りになった。

 さらに民主主義を主張していた元立法会議員が53人も一斉逮捕されている。彼らの移送の映像を見たが、どの若者も強い意志を目に宿していた。

 だが、残念なるかな、支那共産党ナチス以上に残虐だ。抵抗するものを一切許さない。許せば、自分たちが吊るされるからであり、ある意味で奴らも命がけで民主派を攻撃している。

「闘わねば、自分の顔持てない」

 それはまぎれもなく事実なのだが、現状の香港では「意見を言うこと」すら憚られる。1年前、100万人以上が参加したデモに、今年は3人が参加した。市民は、皆、透明になってしまった。

 ナチス以上のモンスターを育て、野に放ったのは、他でもない、日本の責任かも知れない。歴代の「親中派」、「親中党」、「媚中経済人」、「支那のスパイ」たちが、現状の悲劇をつくり上げてきた。

 我々は、次の世代に対してどう責任を取るのか。