山田太一さん

 昨日はつまらないインタビュー記事に引っ掛かって長々と書いてしまった(反省)。

 今日は楽しいこの話にしようと思い、映画『ゴジラ −1.0』

https://godzilla-movie2023.toho.co.jp/

について書こうと思ったんだけど、ここまで書いていて突然の訃報が入った。

 脚本家の山田太一さんがお亡くなりになられた。

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6483497

ご冥福をお祈りしたい。

 ワシャは子供の頃から映画小僧で、『ゴジラ』などを近所の映画館で観てきた。その内に『ローマの休日』や『風と共に去りぬ』などの洋画を知り、駅前に3つもあった映画館に、それこそ毎日通ったものである。

 高校に入って、リーゼントで気取ってはいたものの、映画小僧の本質は変わらず、高校最後の学園祭では、クラス総出で映画を1本創り上げた。監督・脚本はもちろんワシャだ。出来上がりは思い切り駄作だったが、それでも初めての映画製作だったのでおもしろかった。シナリオなるものを書いたのも生まれて初めてだった。

 大学に進んでからも映画好きの仲間と映画のようなものを撮影していたが、お遊びに毛の生えた程度のもので、橋にも棒にも掛からなかった。若い頃には、「オレにも何かしらの才能が眠っているに違いない」・・・なんていう錯覚に陥りますよね(笑)。でね、「シナリオでも書こうか」と思い立ち、その時代にもっとも勢いのあった倉本聰さんや山田太一さんをはじめ、多くのシナリオを漁るように読んだ。書棚にシナリオ本だけで500冊くらいあるかなぁ。

 これはその一部で、山田さんの本も何冊か挿(さ)してある。左に月刊誌「ドラマ」があって、その右に『幸福駅周辺・上野駅周辺』(冬樹社)があるけれど、それが最初に買った山田シナリオです。懐かしいなぁ~。

 倉本さんのシナリオに比べると、山田さんのほうがちょっと難しかった印象がある。山田さんのほうがインテリって感じがあったのかも。もちろん倉本さんも東大ご卒業のバリバリのインテリなんですが、なんとなく北海道の山の中で羆と対峙しているような野性味があった。

 もう少し言うと、山田さんのシナリオはセリフが多く、会話でドラマが進んでいく。登場人物が饒舌なのだ。その点、倉本さんは余白が多く、主人公のセリフが「アタア――!!」とか「――!! ア、ハイッ」とかなにしろ短いのである。読ませるシナリオと、見せるシナリオという感じかなぁ。

 凡夫が偉そうに(自嘲)。なんにせよ、現代を代表する脚本家のお一人が鬼籍に入られてしまった。ファンとしてはとても残念だ。

ゴジラ −1.0』については明日にでも。