倉本先生の新作映画

 このところ、腐ったニュースしかなかったが、ようやく明るい知らせがあった。

倉本聰さん新作映画「海の沈黙」 本木雅弘さん「脚本は大人の寓話」》

https://news.yahoo.co.jp/articles/7c20f5b645962259ac2e10d8b57a6d1560864e0d

《ドラマ「北の国から」などで知られる倉本聰さん(88)が脚本を手掛けた新作映画「海の沈黙」の撮影が16日、北海道小樽市内であり、一部が報道陣に公開された。》

 映画で言うと、『海へ 〜See you〜』(1988年)以来。ドラマでは2020年の『やすらぎの刻 道』から3年か・・・。

 なにしろワルシャワにとっての人生の五師匠の一人だから、このニュースはうれしい。

 ワシャがガキだったころ、『傷だらけの天使』の萩原健一ショーケン)にあこがれ、ヨーロピアンとか不良っぽい言動とか実践していたんですぞ。一時期は凸凹高校のショーケンと言われていた(アホ)。

 そのショーケンが『傷天』とはキャラクターをがらりと変えて登場してきたのが『前略おふくろ様』だった。片山三郎、朴訥で、無口で、優柔不断だが、気の優しい青年を好演した。そのドラマの脚本を書かれたのが倉本聰さんだった。そこからのお付き合いなので48年になるんですね。

 だから、ワシャの書棚にも倉本コーナーがあって、脚本やエッセイが100冊以上ある。

 また、一時期、ワシャは映画小僧が転じて、無謀にも脚本を書いてみようと思い立ったことがある。そこでシナリオの通信講座を受講して、仕事から帰ると、深夜までシナリオの勉強をしたものである。暇だったんだね(笑)。

 その通信講座では、8人の現役脚本家が講師を務めていただいて、その中に倉本聰先生もおられた。だからまことに遠い関係ではあるが、倉本さんとワシャは師弟関係にあるのじゃ(エヘン)。

 倉本先生は、昭和59年に演劇集団の「富良野塾」を立ち上げられた。この情報は知っていたのだが、ワシャはすでに凸凹商事に就職して3年目、ちょうど仕事が面白くなってきた頃だった。学生時代であれば、一も二もなく富良野へ飛んだのだろうが、すでに社会人として歩みだしていたし、自分の周辺の環境も大きく変わっていた。

 結局、富良野塾には行かず、その代わりのシナリオ通信講座の受講ということで納得するしかなかった。

 それから幾星霜、倉本先生の脚本やエッセイはしっかりと読み、倉本ドラマ、倉本映画も充分に鑑賞してきた。舞台もいくつか観に行った。最近(といっても7年前)では、名古屋市芸術創造センターで〈富良野GROUP公演 2015冬「屋根」〉を拝見した。

 これね。倉本先生のサインももらったでよ~。

 その時の感動はこちら。

《昨日、名古屋で》

https://warusyawa.hateblo.jp/entry/20160306/1457215975

《倉本さん》

https://warusyawa.hateblo.jp/entry/20160307/1457303222

《倉本さん(その2)》

https://warusyawa.hateblo.jp/entry/20160308/1457388246

 あの時の倉本さんのごつい手の感覚は今も覚えている。ふにゃっとしたおかまのような手触りを倉本さんは覚えていないだろうが・・・。

 今回のニュースを拝見する限り、やはり倉本さんもお年を召された。88歳ということだが、そのお年にしてまだ現役で脚本を書かれているとは、すごいな。

 ワシャなんか倉本さんに比べれば鼻たれ小僧もいいところなので、のうのうと暮らしているばかりではいけないんだと、もうひと踏ん張りするべいと、倉本さんの久しぶりのお姿を拝見し、そう思ったのであった。