今朝の新聞各紙に、愛知県東郷町長の不信任案が否決されたことが載っている。ヤフーニュースだとこんな感じで出ている。
《パワハラ・セクハラ疑惑の町長 不信任決議案が提出されるも“否決” 愛知・東郷町の井俣憲治町長》
https://news.yahoo.co.jp/articles/b66356fe5d564477e8d3c9d88d57a44a3a97beda
11月23日の拙日記で、徳島県小松島市の市議のハラスメントの話に続けて《一気に膿を出して、風通しのいい市役所・市議会を目指すべきだろう。東郷町もね(笑)。》と書いた。
全国に「刷新力のある東郷町をアピールできる最大に機会を議会は逃してしまった。こういった機を見るに敏な動きができないところが東郷町か・・・。
議会の賛否の状況を議員で見てみた。
アンケートでは回答者の半数以上の39人が、「ハラスメントを受けた」「見たことがある」と回答したという。
こうした指摘を受け、井俣町長は16日に記者会見を開き、発言などを認めたうえで謝罪。町議4人が16日付で、町長への不信任決議案を審議するために臨時会を開くよう町に請求していた。公開されている情報では議長を始めとする「無会派」の議員3人と、1人会派の共産、公明、維新などの5人、2人の会派が賛成に回った。
これに対して反対したのが6人、1人会派の国民民主と「無会派」の5人である。この「無会派」というのがよく理解異出来ないんだけど、要は会派として届けていない以上、それぞれが個人で議会に参加していることになる。でもね、共産、公明、維新、国民民主という国政政党の名が出ている以上、「無会派」を名のる連中が「自民系・保守系」であることは、地域がらを見れば間違いなかろう。
それにしても、普通は保守系会派を立ち上げるんだけど、東郷町議会はバラバラ感が半端ない。ここから傾向を見るのもなかなか難しいが、野党系は「賛成」、単独でも会派をつくっている議員は「賛成」、無会派から議長を含めて3人が「賛成」。
「反対」は2期から10期までの「無会派」の5人と、国民民主1人で、これでは傾向もクソも、何も見えてこない。
それでもこじつけるとしたら、10期というトンデモ議員がいるので、キャリア40年になろうとする長老議員にさすがの町長も強くは出られないだろう。長老にスリスリしていたのが認められて、長老グループの保守系議員が「反対」にまわったということか。
以上のことは憶測の域を出ないので、この程度でやめておくが、大切なことは、この不信任案決議に10人の議員が賛成したということを、町長が深く受け止めなければいけない、ということなのである。
職員アンケートでも40人近い職員から「ハラスメントを受けた、見た」という証言が出ているし、なんといっても音声が録音されている。これはアウトだ。反対した議員たちは「根拠がない。検証を待て。調査が十分ではない」などと言ってはいるが、おいおい、録音された発言、セクハラ行為については町長本人が認めているんだぜ。これ以上の証拠が根拠がどこにあるというのだ。
そもそも議会では10人が敵に回っている。そして職員たちである。彼らの内、39人(幹部職員が多い)が、この問題を承知の上で、町長に部下として仕えることになる。これがどれほど歪なことになるか、普通に考えれば判るよね。
ワシャが町長の立場なら、過半数を議員を敵に回し、部下は面従腹背に徹し、組織運営は極めて難しいことになる。さらに東郷町の名前を不本意な形で全国プロモーションしてしまった。この責任は大きい。
ここは、これ以上のバカを晒す前に、これ以上の恥を晒す前に、東郷町を立て直すために、さっさと辞表を提出するのが格好いい。
読売新聞の記事を引いておく。
《24日朝、机上にハラスメントの事案を明記した封書が置かれていたことを明らかにした。独自にアンケートを行った町幹部の名前で、「24日中に辞職しなければ、表に出す」という内容だったため、27日、愛知県警に対応を相談したという。》
アホか!
警察に対応を相談?すべては己の軽薄な発言に端を発している。職員のことを「おまえ」と呼び、病気の職員に対し「死」について触れることなど、軽薄ではすまされない発言が山ほど出ているのだ。もし町長が、町幹部と全面対決するというならば、机上に置かれた文書を自分の方から公開し、「これらも含めて第三者委員会に委ねる」と、大見得を切ってみやあがれ。
それを24日の朝、目にしてから3日も逡巡し、ようやく27日に警察に告げ口することを決めた。リーダーとしてまったく決断が遅い。とくに自身の問題である。腹をくくる覚悟さえあれば、町民や、注目する全国の人達に、潔いところを見せられるだろう。
町幹部が、自身の降格や左遷も覚悟して、一太刀打ち込んできたのである。それを真っ向から受けずして逃げ出し、背後にいる第三者委員会、警察の背後に隠れてしまった。まことに卑怯である。
卑怯者の対極にいたコラムニストの勝谷誠彦さんが逝かれて5年。勝谷さんが今の政治を見られたらなんと言われていただろう。勝谷さんがいなくなって、腐りが早まっています。そちらで安倍さんと飲んでいないで、腐れ政治家どもにバチを当ててくだされ。