図書館の人気本所蔵について

 今朝の朝日新聞1面。《図書館の人気本所蔵 どこまで》という見出しが目に入った。相変らずけち臭いネットのニュースはこれね。

https://www.asahi.com/articles/DA3S15726716.html

 サブタイトルが《自民議連「書店支援」提言、国が議論へ》とあり、《図書館がベストセラーを過剰に購入しないように、ルール作りを――。国がそんな検討の場を今秋にも設ける。急減している書店の支援策として、自民党議員連盟が出した提言を受けたものだが、図書館側からは困惑の声があがる。》ここまでが冒頭の100字程度のチラ見せ。ワシャなんか熱烈な朝日新聞読者(笑)なのだから、ネットの記事もタダで見せんか~い!

 そんなことはどうでもいい。問題は「人気の本を図書館がどこまで揃えておくか?」ということである。

 ワシャの知人にTという元図書館長だった男がいる。彼は大きな図書館を造るという名目で図書館長に左遷された(笑)異色の公務員だった。

 彼が建て替え前の旧図書館に赴任した最初に回ってきたのが、書籍の購入決裁。元々本好きなTは、嬉々として何ページにもわたる書籍リストを確認した。500冊くらいはあっただろうか。そこで気が付いたのが、同じ本(小説)が何冊も購入されていることだった。担当の司書に理由を聞くと、「人気作品は、リクエストや問い合わせが多く、20冊ほど揃えておかないと、苦情が絶えない」とのこと。

 Tは決裁のリストの数を赤ペンで5冊に修正したのだった。その他のベストセラーについても半減したり3割に変更した。司書は「それでは困ります」と訴えたが、Tはこう答えた。

「予算は限られています。あまり読まれない本でも絶対に蔵書しておくべき本はあります。そういった本を購入するためにも無駄な出費は極力避けましょう」

 付け加えて、「どうにもうるさいクレーマーがあれば私に回しなさい」と胸を叩いたという。

 そんなことがあって、それまでベストセラー本にかなりの予算を取っていたその図書館は、ベストセラー購入費を押さえて、永年保存が必要な文献の収集に変更していったという。

 記事には左傾の多い世田谷区の事例が載っていた。本屋大賞を受賞した小説を区の図書館で55冊を所蔵していたという。それでも1884人が予約待ちで、最後のほうに予約した人は2年待ちになるそうな。サヨクはケチだからね(笑)。

 世田谷区、92万の人口がある。Tの自治体のざっと5倍だ。Tのところで5冊なら世田谷区は25冊でいいのではないか?ただし予約者は10年を待つことになるが(笑)。

 ケチな図書館利用者が、2年待ってでも、その本を読みたいということは、2年待てるということで、さして読みたくないということに他ならない。ワシャなら読みたい本は1週間と待てないからね。

 ワシャは先日、友人から、平山周吉『小津安二郎』(新潮社)を薦められた。3000円の本である。速攻で買おうとも思ったが、一度、内容を確認してからにしようと思った。要は、本屋でやる立ち読みを一応しておきたいのだ。

 だから、まずは近隣の図書館の蔵書を検索する。おおお、さすが。その図書館には『小津安二郎』が入っていた。予約欄を見ると「1人」という表示がある。およよ、ワシャより先に小津本に予約を入れているとは・・・嬉しいやら悲しいやら。

 知り合いの司書に問い合わせると「ワシャさんの直前に予約が入っているので2週間待ちということになります」とのことだった。

 ワシャは世田谷サヨクとは違うので、そんなに待てない。だから、隣町の大型書店に行って、速攻で買ってきたのだった。

 記事に戻ろう。区立図書館長がこう言っている。

「本を買ってほしいとの出版界の声も理解できるが、図書館には知る権利を保障する役割もあり、待たせることへのお叱りの声もある。板挟み状態で悩ましい」

 本の売り上げが減っているのは現実だ。しかし、百田尚樹さんはここ10年、毎年100万部の自著を売ってきた。昨年は100万部をわずかに下回ったというが、左傾大手メディア、朝日、毎日、東京などの活動家新聞などは意識して百田作品を取り上げなくてもこの数字である。本の売り上げが減っているのは、作家自身のせいでもあることを忘れてはいけない。

「図書館の知る権利を保障」するために、誰でも読める小説ではなくて、あまり読まれないが文献・資料として価値の高い本(得てしてこういった書籍は高額なのだが)を図書館に置くことを心掛けたいものだ。

「待たせることへのお叱り」って、そんなもの図書館長がみんな受けなさいよ。そして言ってやれ。

「予算は苦しいですが、本は一定数揃えてあります。しかし予想以上の人気で、ご迷惑をお掛けしております。お急ぎでしたら駅前の書店には平積みされていましたので、そちらでお求めになられることをお勧めします」

 といったら、ケチな利用者は劣化のごとく怒るんだろうね(笑)。でも、T館長は実際にそう言ったらしいよ(笑)。

 いかんいかん、図書館の話になると止まらない。ここまで2200字書いても、まだ記事の半分も消化しておりません。

 民間企業のTRC(図書館流通センター)の闇とか、地元書店との協力の重要性とか、マヌケな自民党議連の提案とか、書きたいことは山ほどあるので、また明日のココロ~ということで失礼します。