昨日の続き

 全国の582館の公共図書館を運営する民間企業のTRC(図書館流通センター)。ここが指定管理を受けている図書館をいくつか見て回ったんだけど、スタッフが圧倒的に少なく、照明も暗かった。そしてなにより蔵書が貧弱に感じた。そりゃそうでしょ。多数のスタッフを常駐し、照明をガンガン点けて、蔵書を増やせば、儲けが減る。

 すでに撤退してしまったが、TSUTAYAが図書館を運営する新形態を、佐賀県武雄市で実施したが、大失敗に終わった。武雄市を見て、愛知県小牧市TSUTAYAで図書館を運営することを中止した。

 TRCは要領がよくて、最初はTSUTAYA図書館に絡んでいたが、風向きが悪いと知ると、さっさと傾いた船から下船してしまった。

 またどこかで書きたいが、全国の図書館におけるTRCの寡占状態、これがかなり危険だ。ワシャの知り合いのTは、館長当時にTRCから離れようと画策したが実現できなかった。

 納入本は装備(ラベル等を貼ってビニールでコーティングすること)まできちんとやって10%引きで納本されるから、自治体図書館としては縁が切れない。町の書店から購入すると、10%くらいの値引きはしてくれるが、装備を図書館側でやらなければならず、この手間の経費がけっこう大きかったのだ。

 ちょくちょくTRCの女性スタッフが副市長のところに通っていたことも影響したのかもね(笑)。

 自民党の「街の本屋さんを元気にして、日本の文化を守る議員連盟」が、「図書館が同一の書籍を複数冊持つ複本の原則禁止」などを含めてもっともらしい提言をしたらしいが、まったく実情を理解していないね。「複本を持つな」って本もまともに読まない議員が言ったって、阿呆な有権者が「複本を多数用意しろ」っていってくるんだからさ。国会議員、地方議員、おフランスへ行く暇があったら、議会図書館で本を読め。

 ワシャが知っている某市議会に、けっこうしっかりした図書コーナーがあるんだけど、そのコーナーを使って日常的に本を読んでいたのは20年くらい遡ってもたった1人きりだった。その他の議員でも年に1~2度、書棚に手を伸ばしたかどうか。

 とにかく、エッフェル松川、ブライダルまさこを始めとして、ボンクラ議員は暇があったら本を読め!本屋にも行かず、図書館にも足を運ばず、なにが提言だ。笑わせるんじゃない。

 日大の教授がこんな調査結果を公表した。

 600作品を分析したところ、その本が全国の図書館に100冊所蔵されると、日本全体でその新刊の売り上げが6冊減るのだそうな。これってまったく影響がないということだよね。だってさ、専門書なんてそもそも一般の人は買わないでしょ。

 例えば、中村孝也『家康の族葉』(碩文社)は14,286円もした。これなんか図書館か、研究者の棚か、ワルシャワ蔵書にしかありまへんでぇ。この手の本は全国の図書館が上客だということ。

 且つ、この手の金額の伸す書籍は、地元の書店で購入するのがよろし。単価が高いので装備費用が相対的に低くなる。ワシャの知っている図書館司書は、ボンクラ議員の提言など見向きもしないで、そうやって町の本屋さんとの共存を図っている。ボンクラさんたち、図書館に足を何度運んだ!少なくともワシャの選挙区の議員を図書館で見たことはない。

 

 うえ~ん(泣)。図書館のことを書いていたら、他のことが書けなくなってしまった。昨日は読書会だったので、そのことや、今朝の朝日新聞トップは「処理水 深まる日中亀裂」という朗報についても触れたかった。フニャチン岸田のけち臭いガソリン補助も腐したかったが、これらはこれらで腰を据えないとまとまらないので、日を改めることとする。