米騒動

 大正7年のことである。7月に富山県から始まった米騒動は、全国に広がっていった。ワシャが高校の時に使った日本史の教科書が棚にあるんで、そこから「米騒動」を引く。

《大戦景気によって成金が生まれるいっぽうでは、物価とりわけ米価が急騰し、都市勤労者や下層農民の生活は困窮した。》

 教科書だけにあっさりとしたもんだ。詳細に言うとね、第一次世界大戦中、海外向けへの輸出が超過激増し、物価が上昇した。当然ですよね。戦争で物資が不足しているからヨーロッパ諸国は、金を積んで不足物資を調達する。だから資本家たちは利益追求のために高値の海外に物資を流していく。当然。国内では物資が不足し、価格は高騰するのは当然だ。大戦景気で太っていくのは資本家、成金、政治家ばかりで、一般民衆の実質賃金は相対的に下がっていくばかりだった。これで庶民が立ち上がり、「米騒動」になった。

 ひるがえって令和の時代である。米の消費は落ちているから、多少のことでは国民は驚かないけれど、経済の米と言われる燃料、電気、ガソリンの価格上昇はとんでもない状況になっている。ウクライナ戦争になる前は、リッター120円前後だった。時には110円台という時もあって、120円で給油すると「ちょっと高かったな」という気持ちにすらなった。ところが今や180円である。5割の上昇を令和の民衆は甘んじて受けている。

 大正の民衆は、国策の「シベリア出兵」により、投機筋の買い占め、米商人の売り惜しみなどで、米価が50%ほど上昇した。その結果として富山で暴動が発生し、そこから燎原の火の如く、全国へと拡大していったのである。この夏、全国での暴動は623を数えた。

 さて、令和の民衆は、ガソリンが50%上がっても、電気代が高騰しても、キャベツが198円になっても、暴動なんか起こさない。大正の民衆よりも上品なんですね。それはそれでいい。令和の民衆には「普通選挙権」もあるし、新聞やテレビなどの報道も大正時代とは比較にならないほど進んでいて、モノを言える環境は整っているのだろう。

 しかし、この物価高騰の状況で、ガソリンへの補助をこっそり縮小したり、そもそもガソリンに高い税金をかけ、国民負担の上昇しか考えていない財務省の言いなりになって、傀儡のように動いている岸田政権を野放しにしている状況はいかがなものか?

 そもそも岸田政権を支える自民党が腐りきっているわけだ。ブライダルまさこ、エッフェル松川、デリバリー木原、シャネル秋本、おフランス今井、レインボー稲田、ドリル優子・・・これみんな自民党の国会議員の皆さまですぞ。

 この状況に関して反旗を翻しているのは、ネットで頑張っている保守ばかりなり。いつもは元気のいいお左翼の政治家、マスコミは、そもそも左で親中の岸田政権を歓迎して、まったく動いていない。令和の民衆も新聞やテレビの影響で真実を見ずに、左の笛に踊らされたままだ。

 低支持率にびびった岸田による解散は、当面の間はないと見ていい。とすると、令和の民衆は、しっかりとした情報を入手して、SNSなどを駆使して岸田にガソリン減税や、物価の安定を促す施策の実施を迫らなければいけない。

 ブライダルまさこらを眺めても、国会議員などというものは機能不全に陥っていると考えるべきだろう。

 富山から波及した「米騒動」は、島根県松江市でも起きようとしていた。しかし、賢明なる松江市は、大正7年8月17日、警察を動かして、市内の米穀商を一斉点検し、売り惜しみ、買い溜めをしていた不正商人を取り締まった。松江市も廉売所を設け、商工会議所も外米1000袋を緊急に移入し、「米騒動」を未然に防いでいるのである。

 大正の松江市よりも、令和の岸田政権、財務省のほうが人材が揃っているのではありませんか?エッフェルやデリバリーのように東京大学ご卒業の皆様は、政治家にも財務省にもウジャウジャいますよね。それでなんの手も打てないとは・・・。

 これは先の大戦でも同じ状況に陥ったんですが、軍官僚(当時は東大よりも士官学校のほうが上)という連中が、今のトップの東大卒と同じ記憶力秀才君たちだったんです。彼らの優秀さは物覚えだけで、応用力がまったくなかった。松川るい議員の今回の対応を見れば分かりますよね。

 だから、日本は78年前に大敗北を喫してしまった。このグズチンの政治家どもに喝を入れなければ、いずれ日本は沈没していく。政治家に喝を入れるのは令和の民衆ということで、う~む、これはなかなか難しい。

 こんなことを言っていると、ワルシャワは右翼ということになるんでしょうかねぇ(笑)。