自覚の必要性

 この人の文章が下手だ。

SDGsが掲げる「17の目標」日本政府はひとつとして実現してないじゃないか(ラサール石井)》日刊ゲンダイDIGITAL【ラサール石井 東憤西笑】#167

https://news.yahoo.co.jp/articles/4e17a1d7992165061202ecba73a6e67b03b49f9b

《もう皆さんにもお馴染みだと思うが、SDGsという言葉がある。なんの意味か今更聞けない人には説明する。サステナブル・ディベロップメント・ゴールズ=持続可能な開発目標という意味だ。こういう海外からの動きには日本も必ず遅れまいとする。》

 ラサール高校だかなんだか知らないが、持って回った面倒くさい文章だなぁ。

SDGsサステナブル・ディベロップメント・ゴールズ=持続可能な開発目標)、この手の海外の動きに対し、日本は必ず遅れまいとする傾向がある。」

で、いいんじゃねえの。石井氏の文章では111文字だが、66文字で済む。

《新しい横文字大好き小池百合子氏も「東京オリンピックを開催する東京都が目指す社会のあり方と、SDGsの精神は、同じだと考えています」などと過去に言っている(弁当30万食も廃棄して何が持続可能だ)。》

 石井氏、小池知事を腐しているわけだが、後の文章の布石なんだろうか?

《政府もSDGsを考えている。まず指針を打ち出し、SDGsを実現した団体を表彰する組織をつくり(これがまた役人の天下り先になります)、少しの補助金を出す。たったこれだけ。自分たちでは何もやらない。》

 石井氏は、次に政府を腐す。そしてこう言う。

《翻って現実はどうか。》

 この言い方もおかしい。前段に「理想」があって、後段で「現実」を並べるのが普通な仕立てである。だが、前段の小池知事の発言も、政府のSDGsの動きも「理想」を語っているということではない。大げさに翻してみたものの、上手な対比にはなっていなかった。

 石井氏の言う「現実」とは、《神宮の森を伐採して再開発するという。しかもあそこには超高層商業ビルが立つらしい。いったいそんなものがなぜいるのか。》と続ける。ここで布石の「小池腐し」に繋いでいるわけですね。だったら、「小池腐し」の次に「政府腐し」を入れ込むと、話がボケてしまう。「小池腐し」と「神宮の森」のフレーズを直接、繋いだほうが分かりやすいと思うよ。

 さらに細かいことを言うと《超高層ビルが立つらしい》の「立つ」である。石井氏は意図して「建つ」ではなく「立つ」を選んだと思うし、どちらでも意味はとおるので、見過ごしてもいいとは思った。でもね、漢字の持っている意味からしても「建物」は「建つ」と素直に書いた方がいい。とくに墓や碑ではなく超高層ビルということだから、意味の大きい「建つ」が相応しいのではないか。

 続ける。

SDGsには17の目標がある。その15には「陸の豊かさも守ろう」「森林の持続可能な管理」と書いてあるではないか。さらに国は国立劇場を建て替えると言っている。しかし現在の国立劇場のデザインは素晴らしい。それを残して改修することはできないのか。アメリカなどではよくやられている。それこそSDGsではないのか。》

 この文章の「~書いてあるではないか。」までは神宮の森の話なんだが、この後に続く「さらに国は国立劇場を~」の話は別物になっている。これは混乱する。だってさ、樹木伐採が問題となっている明治神宮外苑の再開発は、新宿区から港区にまたがる区域の話なのに、突然、千代田区国立劇場に話が飛んでしまうのだから。

 

 石井氏、話が散らかり過ぎている。結びの文章もひどい。こんなので、「日刊ゲンダイ」からなにがしかの謝礼が出ているとするなら詐欺に近い。締めの文章を2つに分けて解説しよう。

《他にも目標はある。1 貧困をなくそう 5 ジェンダー平等を実現しよう 8 働きがいも経済成長も 16 平和と公正をすべての人に なんだよ。ひとつとして実現してないじゃないか。》

 おいおい、「1 貧困をなくそう」って、日本は全世界のどの国に比較しても貧困層は少ないということを知らないのかニャ?

「5 ジェンダー平等を実現しよう」は、日本ほど平等な国はないと思う。あったら教えてほしいくらいのものだ。こんな念仏を唱えているから、自称トランスジェンダー男が、女子のスポーツ競技に参加して優勝をかっさらっていくのだ。

「8 働きがいも経済成長も」については、機能不全の国連が主導する「SDGs」などというまやかしに誑(たぶら)かされているから経済が進まない。「SDGs」=国連と一刻も早く手を切ること。巨額な支援を止めること、これが重要ですね。

「16 平和と公正をすべての人に」。無理。

 で、石井氏、その他の13は放っておいてもいいのかい。「SDGs」を語るなら、しっかりと全体像をつかんでからにしてくれ。

 最後の最後。

《新しい言葉にのっかるだけ。そのたびに天下り先が増えるだけ。やってるフリばかりの日本の官僚と政治家。スクラップ&ビルドはもういらない。よいものは残してくれ。保険証もな。》

 そのとおり。

 この石井氏の文章は、ワシャが直した冒頭の66字と最後の83字の149字ですべてが語れる。667字中518字は必要がない。

 このコラムのようなものと比べれば、まだまだ「天声人語」のほうがまともだし、文章力もある。大丈夫か?名門校の名前にしがみつく芸人さんよ。