議員の悪口

 今朝は久しぶりに小津安二郎について書こうと思っていた。今、読んでいる平山周平『小津安二郎』(新潮社)に多分に影響を受けているからである。

 5時ごろに目が覚めたんですよ。まだ30分くらいは布団の中でゴロゴロできる。だから枕元にあった『小津安二郎』を引き寄せて読み始めた。

「おおお!本居宣長小津安二郎には共通点があったのか!」

 と、寝床で大騒ぎをしながら読んでいたら、よし今日の日記は小津で書いて、ちょいとワルシャワの高尚なところもアピールしておこうと思ったのにぃ。

 

 でもね、朝食をとりながら巷の下世話なニュースに触れると、そっちのほうがおもしろいんですね。

《副区長が女性区議を「ブタ」と揶揄 東京・渋谷区》

https://news.yahoo.co.jp/articles/c896b9b7ed7b523cf14e65176426b2ce6309dc07

 おいおい~、めちゃめちゃおもしろいやんケ。渋谷区、人口24万人余である。これだけの自治体の副区長にしては出来が悪すぎる。いくら内部のチャットとはいえ、議員に対して「ブタ」呼ばわりを文字にしてしまうのはアウトだ。それもちょっと太めの女性議員に言ってしまうというのは、副区長とか肩書の話ではなく、人間としていかがなものか。

 飲み屋での陰口ならいいわさ。いくらクローズされている環境だったしても、ネット上で文字起こしをしてしまったら取り返しがつかない。チャットにアクセスしている職員がみんな自分の味方だと思っていたのかねぇ。だとするなら、心底能天気な副区長である。

「こういうことを陰でする副区長なんだ」と満天下に晒してしまった。渋谷区政の印象はかなり下落した。どこの自治体でも、当然のことながら、そういうことを水面下で行っている。「あの議員には注意しろ」「あの議員には情報を流すな」「あの議員にはゴマをすっておけ」などなど、民主主義という愚かな制度で選ばれてきた議員に対して、行政側は気を付けなければならない。

 多くの自治体の優秀なる幹部たちは、表に出ないところで上手くやっている。

 それを渋谷区では、一番考えなければならない参謀役の副区長がこの体たらく。ここは、潔く、小太りの女性議員に己の首を差し出してワビを入れよ。心配はいらない。副区長の後任なんて山ほどいるのだから。それが格好いいと思いますよ。

 

 そうそう、議会から「2人目の副市長を選べ」と言われながら、山ほどいる副市長候補の中から4年も探せなかったマヌケな首長もいたなぁ(遠い目)。

 いやいや、マヌケではなかった。モノのいい副市長を選ぶと、己の立場が危うくなると考えた上での、信乏怨虜だったのだ。

 結果として、モノのいい副市長を補充しなくても、ブタ呼ばわりしていた議員たちに引きずり降ろされたんだけどね。

 最終議会ではよほど悔しかったとみえ、「私は当分の間、公的な仕事は受けません。少なくとも5年の間は、行政とは距離をとって自分の時間を大切にして生きたい考えます」と、大見得をきったものだった。

 そしたらね、昨日、ちょいと用事があって市役所に顔を出すと、前市長がうろうろしていた。その市長に腰ぎんちゃくのようにしてくっ付いている幹部職員もいた。

「前の市長はお元気そうだね」

 と、ワシャの相手をしてくれていた課長に言うと、彼はニヤリと笑ってこういった。

「お元気ですよ、週4回はお見かけしますよ」

 ほぼ毎日じゃん。それでもそんな市長ですら、文字で議員の悪口は書かなかったことを思うと、澁谷の副区長は進退極まっている。