朝日新聞投稿欄から

 愛知県の88歳の女性からの投稿である。題して《アフリカ系フランス人への思い》。

 6月27日にフランス・パリの郊外で無免許運転をしていて、警察官の制止要求を振り切って車を発進させた17歳の少年が射殺された事件について語っているのだ。女性は言う。

《フランス映画が好きで仏語も勉強してきた私は、事件から1カ月以上たっても悲痛な気持ちが深まるばかり》

なのだそうな。文脈を読む限り、この女性、フランスで起きた暴動のことよりも、1人の触法少年の「死」に一カ月以上にわたり悲痛な気持ちを深め続けていると言う。

 投稿は、ここから20年前の思い出になる。だから68歳くらいだろう。20年前の68歳というとけっこうなバアサンだった。それが一人旅を敢行したというからかなりの強者(つわもの)だ。

 そこで新聞配達のアルジェリア系の若者や、船着き場では多くのアフリカ系の人に、あるいはリヨン駅構内ではチュニジア系の女性に親切にしてもらったんだとさ。

《お礼を言うと、「平和憲法のある日本はとても素晴らしい。世界中の人々が求めている最高の宝物、世界の誇りです。ノーモア・ヒロシマ」といいう言葉を残して去っていったのが印象に残っています。》

 アルジェリア系にしてもチュニジア系にしても、白い肌を持っていて、目鼻だちもヨーロッパ系だ。よくこのおばあさんは「何々系」って判ったね。いちいち親切を受けるたびに「あなたは何々系のフランス人なの?」って尋ねたんかいな。ワシャだったら白い肌の40代の女性をフランスで見たら、何の疑念もなく「フランス人じゃ~」と思っちまう。

 少しばかりの案内を乞うた黄色人種の老婆を、たまたま通りがかったチュニジア系の女性は、見事に日本人と看破し、日本国憲法のことも知っていて、広島の原爆のことまで思い出すとは・・・。こっちもこっちで短い間にチュニジア系だということを見抜いている。あんたら超能力者か?

 投稿の締めはこうなっている。

《フランスでは多くのアフリカ系の人たちが「3K」労働を引き受けています。亡くなったアルジェリア系の若者に哀悼の祈りを捧げます。》

 このバアサン、まったくお花畑の中で妄想にふけっている。そりゃ「3K」の仕事もしているでしょうよ。しかし、貧乏のままのフランス人を尻目に成功しているアフリカ系のフランス人も多い。これは駒澤大学客員教授の飯山陽さんから聞いた。

そして亡くなった少年は法を犯している。無免許運転の上に公務執行妨害、警察官が制止しなければ、一般市民が交通事故に巻き込まれていたかもしれない。フランスは日本とは違う。警察や軍の命令に従わなければ、最悪の場合、射殺されても文句は言えない。それが治安を守るということなのだから。

平和憲法にがんじがらめの日本、世界のどこにもあり得ない空想のお花畑は各国から嘲笑をかっている。ノーテンキ・ジャパン」