万国博覧会

 ワシャは1970年に開催された「日本万国博覧会」に強い影響を受けた子供だった。昭和の少年に、田舎の小学生に、世界を、未来を見せてくれた世紀の一大ページェントと言っていい。50年が過ぎても今もって脳裏にはあの万博会場の風景がよみがえる。それほど強いインパクトを受けた。以下に並べてあるのは、万博関連本や物品の一部なんだけど、やっぱり懐かしいことこの上ない。また、「日本万国博覧会」の会場に行きたいなぁ~。もちろんあの時の、あの会場にである。もちろん叶うわけはないけれど。

 さて、時を経て、再び大阪で万国博覧会を開催する。

大阪万博、前売り券1400万枚を経済界と自治体などに割り当てで集まる批判「押し売りのボッタクリ」転売防止策に疑問も》

https://news.yahoo.co.jp/articles/ab9ba6377c37da13e002df5cf254865252f8406a

 いろいろな問題を抱えているようだが、1970年の万博ファンのワシャからすると、現代に「万国博覧会」が成立するものなのかが疑問だ。

 千里丘陵のあの万博会場は、そりゃあもう行くパビリオンごとに新たな発見があって、足が止まらなかった。目新しいことばかりで、「未来にはこうなるのか!」と未熟な子供の心にも希望を持たせてくれた。おそらくワシャのポジティブ思考は、あの時に醸成されたと思っている。

 その後、いくつかの地方博があった。沖縄海洋博(1975年349万人)、つくば科学博(1985年2,033万人)、大坂花博(1990年2,312万人)、愛・地球博(2005年2,204万人)、神戸ポートアイランド博覧会(1981年1,610万人)、横浜博覧会(1989年1,333万人)などである。沖縄は人口集積地から遠かったこともあり、あまり参考にはならないが、その他を見ると2,000万人くらいが地方博に集まっている。

 今回の大阪万博は地方博ではなく、あの「日本万国博覧会」以来の国策博覧会で、当然のこと目指すは万博で、そういった意味では6,000万人の入場者を掲げるべきだろう。

《報道によると、入場券の販売枚数は2300万枚を目指し、6割にあたる1400万枚を前売り券とする。前売り券は経済界と、自治体・万博協会にそれぞれ700万枚ずつ割り当てるという。》

 おいおい、2,300万人などと小さなことを言っていてはいけない。それだと「地方博」規模だよね。しかし、時代を念頭に置いて安全な目標となるとこの程度が妥当か。

 どちらにしても「石」で大動員を見込める時代ではない。世界は狭くなり、物騒になり、海外旅行も日常になったし、何と言っても、田舎町ですら隣人に外国人が在(あ)るようになっている。今更「万国」といわれてもねぇ・・・というところが日本国民の本音だろう。そんなものに国費をジャブジャブ使うというのも如何なものであろう。それなら四公六民を五公五民にしてくだせえ、お代官様~。

「博覧会」の時代は去ったのではないか?実施するにしてもよほどの目玉を持ってこなければ失敗する。大阪万博公式キャラクターの「ミャクミャク」には目玉がいっぱいあるみたいだけど(笑)。

https://news.yahoo.co.jp/articles/89167692558dcd41aeebdcb03eab78a5407f6c61/images/000