警報、説明会、来客、所用

 いやはや、昨日は朝から大変だった。午前4時、とてつもない音で起こされた。

「建物の3階付近から火災が発生しています」というアナウンスに続き、警報音が「

グイーングイーン」と響き渡ったのだ。

 ワシャは窓際に寝ている。昨日は比較的涼しかったけど、南の窓は全開にしていた。だから、どこの火災かは判らないけれど、その警報アナウンス、警報音がダイレクトに伝わってくる。隣家に両親が住んでいるんだけど、そのくらいの近さに聞こえたので、あわてて外に飛び出した。ようやく空が白み始めた自分で、樹木の生えている庭はまだ暗い。そこをこけつまろびつ路地まで出ると、少なくとも隣家ではなく、路地の向こうから警報音が流れてくる。路地の先には公園があるんだけど、とにかくそこまで行ってみることにした。

 公園には池があって、警報音はその向こう岸から発せられている。ワシャはいったん自宅に戻って、流星号(自転車ね)にまたがり音の方向に走り出した。途中で119番通報も忘れなかった。

 池の反対側に、3階建ての事務所がある。そこから警報音が発せられているのかと思い、そこまで行ってみた。しかし、そこでもない。警報音はさらにその先から聞こえる。その事務所を越えてゆくと、広い農地があり、その先に県立高校があった。警報音はそこから出ている。

 ひえええ、こんなところから我が家まであの音量で伝わってくるのか・・・。ある意味ですごいな。この音量で地震警報でも流してくれれば、かなり安心だと思いながら、元消防団員のワルシャワは、火元を探して、広大な高校の敷地の周囲をぐるぐると走り回ったのであった。

 パトカー1台と消防車両2台は確認できたが、火災を示す煙などの視認はできなかった。

 しっかりと夜が明けた。その頃になると、警報音も止まって、周辺の住民もちらほらと外に出てきた。朝から元気にケッタで走り回っているワシャを見つけて「なにがあったの?」と尋ねてくる人もいて、ワシャは「大丈夫ですよ」と言いながら敬礼をして走り去ったのであった。

 

 汗びっしょりになっていたので、家に帰ってシャワーを浴びる。午前9時くらいまでには身支度を整えて、出掛けなければいけない。

 ワシャの住んでいる地区に「大型商業施設」が出店してくるんで、その住民説明会があるのだ。おそらく大した説明もされないだろうが、ちょいとした関りもあって、関係者から顔を出すように頼まれている。すでに関係資料を鞄につめる。いくつかの疑問点を列記したメモも突っ込んで、公会堂に出かけた。

 公会堂の大会議室には150人くらい集まっていただろうか。事業者サイドの簡単な説明があり、すぐに質疑応答となった。ワシャはそれほど質問があるとは思わなかったのだが、出るわ出るわ、計12人の人が質問をし、結局、時間切れになって、それでも複数の人が手を挙げていた。

 結局、ワシャも、笑いもとりつつ、いい感じで質問しようと思っていたんだが、時間切れと相成った。

 それはそれでいい。住民が「大型商業施設」の出店にこれだけ問題意識を持っていることが業者に伝われば、多少の配慮が加わることを期待できるからね。

 ただ、質問者の中に・・・これはどういった説明会にも必ずいる。こいつらのせいで質問時間がなくなってしまったんだ。よくいるでしょ、「質問」と称して長々とテメエのことを語るジジイってのが。昨日も12人中2人がこれだった。オメエのプライベートの話なんか聞きたくもない。ワシャは、この説明会の後にも予定が入っている。ということでついついイライラしてしまって、後方の席で「質問をしろ!質問を!」と声を出してしまった。

 業者は、質問になっていない質問にも真摯に答弁していたが、ああいう間抜けな質問者が多くなると、結局、住民全体がバカにされてしまう。逃げ切った業者が90点、間抜けな質問者もいた住民側は60点といったところか。

 公会堂から戻って来客対応。説明会が長々ジジイのせいで、長引いてしまったので、15分の遅刻だった。軽く昼食をとると、次の所用で豊田まで車を走らせる。帰宅したのは夕方だった。あ~くたびれた。