ローンオフェンダー相似

 このところの事件の犯人が似ていると感じている。安倍元首相を銃撃した男、岸田首相を襲った男、そして今回の中野市の4人を殺害した男。もちろん顔立ちなどはそれぞれ違うんだけど、雰囲気というか、佇まいというか、オーラのなさというようなものがよく似ていると思う。

 おとなしい。めだたない。人と交わらない。学業成績も普通で、近所の人にも「普通の人」と言われている。高校の卒業アルバムを見ても、目に力のない存在感の薄い少年たちだ。

 反対に高校時代、悪目立ちをしていた奴ら、やんちゃでいきがっているヤンキー連中で、喧嘩をしたり、煙草を吸ったり、授業をさぼったり・・・目立つことをやっていた少年たちが、長じて地域のいいまとめ役になっていたりする。

 よく成人式で派手な格好をして、車高を落としたヤンキー車に箱乗りをして旗降っているようなガキがいるけれど、むしろああいう形でうっぷんを晴らしているバカのほうがまともかもしれない。

 自宅に引きこもって、銃や爆弾の製造をしたり、猟銃などを集めてほくそ笑んでいるような奴、これは不気味だ。

《「女性に悪く言われていると思い刺殺」 長野立てこもり事件の容疑者》

https://news.yahoo.co.jp/articles/adb97597793a0d287295e2b53c1302a85cf60d3d

「女性に悪く言われていると思い刺殺」って、それだけの動機で人を殺すって、飛躍し過ぎでんがな(呆)。

 ヤンキーなら、人に悪口を言われていると感じた時、まず確認をする。

「オメエ、オラの悪口言ってたっぺ」

 相手が、剃り込みと目の鋭さにビビッて「言ってない」と言えば「ほーけー(そうかい)」とニヤリと笑って、股間を握るくらいで許すのである。

「言ってない」と引かずに睨み返して来たら、チョンパン1発、拳固の2つ3つをお見舞いし、「やるかい?」と構えて見せる。尻尾を巻けばそれで終わりだし、突っかかってくれば本戦突入と相成るのだが、そこまでいくことは滅多になかった。せいぜい、そのくらいのことですわ。

 現代では、そんな一目で判るいきったニーチャンよりも、オタクっぽくって気の弱そうな奴が大きなリュックサックを背負っている方が怖い。

 山上徹也、木村隆二、青木政憲、どいつも群れをつくらない「ローンオフェンダー」である。こういうのが籠ってしまうとまったく世間からは消えてしまって、暗い部屋の中で何を考え、何をしているのかが見えない。セン〇リでもしていてくれれば平和なんだけど、そうはいかないので凶悪な事件が発生する。

 自分だけの世界で妄想を膨らませ、ありもしない「統一教会と安倍さんの癒着」とか「被選挙権の年齢が下がらないのは岸田首相が悪い」とか「近所のオバサンがオレの悪口を言っている」とか、思い込みをため込み過ぎて暴発している。

 前から言っているけれど、こういった輩は十代の頃から、汗を流して仕事をすることで、余分なことを考えさせない。男性の方なら分かると思うけれど、ヘトヘトに疲れて帰った日にセン〇リなんてできないでしょ(笑)。

 高等教育など、本当にその資質を持った一部の人間だけでよく、万人を高等学校へ行かさなくてもいい。学業についていけない奴、集団生活に向かない奴は山ほどいて、そんなのに3年も苦行を与えるから変質した奴が生まれてくる。

 山上、木村、青木の特殊なケースにはなかなか当てはまらないが、全体として見たときに、高校をある程度、統廃合して、中学校卒業でも仕事につける環境整備をするべきだ。学業に適性のない中学生は、どんどんと労働市場に突っ込んでいく。そうすれば、労働者不足など解決するわさ。そうして社会の中で揉まれるうちに、「このことについて勉強がしてみたい」と思えば、そこから高校、大学に入り直せばいい。その再チャレンジの道をつけておけば、若者の未来が大きく変わっていくのではないか。

 話がいつもどおり逸れてしまったが、そういったことが「ローンオフェンダー」なる異形の怪物を減らしていく一手となるのではないか。