あっちでもこっちでも痛!

《「何言ってんだ、おめえは」臨時議長の怒号で議場騒然 前代未聞の事態に議会は「暫時休憩」 栃木県足利市

https://news.yahoo.co.jp/articles/445ddb06b743285c5fede3487d8c508892fff92a

 足利市の5月臨時議会でのこと。この日は統一地方選の直後の議会だから、新年度の議長・副議長を選出することになっている。どこの議会でも台本が出来上がっていて、まず、議場内で最高齢の議員が臨時議長をつとめ、正式の議長・副議長を選ぶ。通常は出来レースで、あらかじめ議長・副議長とも内々で決まっている。その名前を言う議員も仕込まれていて、臨時議長に指名され「○○議員を推薦します」と発言することですんなりと決まる。

 新議長が決定されると、臨時議長は議長席から降壇し、新議長が議長席に着き、副議長の選任や、執行部から提出されている議案を審議する・・・というのが一連の流れですね。

 通常の場合、この臨時議長をやるジイサン議員ってのは、古参の長老議員なのである。ところが足利市では最長老のジイサンが新人で出てきてしまった。ジイサン、議会のルールも何も知らないから、やりたい放題で大騒ぎとなったわけですな。

 もう一つイレギュラーなことがあった。共産党の女性議員が議長に立候補を表明してしまった。これで、新人ジイサンは戸惑った。台本通りではなくなってしまったからね。ここらから記事を引こう。

《議長に立候補した尾関栄子(おぜきえいこ)市議(70)に対し、栗原収(くりはらおさむ)市議(61)が質問を行った際に「問題」は起きた。

 尾関市議の答弁が質問とかみ合っていないと感じた栗原市議は議長に「注意をしてもらおう」と考え、答弁の途中で「議事進行」と発言した。他の議員からも「これでは成り立たない」などのやじが飛んだ。》

 70歳の共産党市議の我が道を行く主義者答弁と、議場のルールを知らぬ新人ジイサンのパニックでてんてこ舞いの足利市議会。

 そこはね、臨時議長の隣に座っている議会事務局長が、てんぱっている議長に冷静な指示を出して、うまくまとめるのだが、それもできなかったようだ。

 ニュースに登場する議員の所属や年齢を確認しようと思って「足利市議会」のホームページの「議員一覧」にアクセスしたけれども、選挙から1か月が経過しているにも関わらず、「現在改選中につき、準備が整い次第掲載いたします。しばらくお待ちください」というメッセージが「議員一覧」ばかりでなく「全議員名簿」、「会派別名簿」、「委員会名簿」、さらには「議長あいさつ」も更新されていなかった。

 このレベルの仕事しかできない議会事務局では、新人ジイサンのパニックは収めようがなかったかもね。

 なにしろ、上州弁丸出しの「何言ってんだ、おめえは」には笑えました。でも、傍観者だからおもしろいのだけれど、当事者の足利市民となるとそうそう笑ってばかりもいられない。

 足利市、人口14万人余。議員定数24人、しかし議員立候補者は25人と低調で、まぁ新人で変なのが紛れ込む可能性は大きい。定数28のところに38人が立候補しても、変なのが多数紛れ込んでしまうというのが、現状の地方自治の限界なんでしょうね。まれに優秀な人財がいるけれど、半数は一般市民よりもモノの悪い連中で、ただ目立ちたがりなだけという人材でしょうね。目立ちたいんだけれど、頭が悪いから檜舞台である一般質問が作れず、みんな、執行部側に丸投げしている議員、ホントに多いでしょ(笑)。

 それにしても75歳の新人はいただけない。こういう人が悪目立ちすると、足利市議会、足利市のイメージが落ちていく。

 

 こういった地方議会の窮状に対してワシャはある打開策を持っている。

 もったいぶるほどの話でもないんだけど、要するに20万以下の小さな自治体は、令和の合併をして、人口規模を30万~50万程度にした上で、「議員報酬を上げる」のである。その代わり、議員は議会事務局に、「一定日数の出勤」を義務付ける。49日ではだめですぞ。最低でも200日は出勤してもらわないとね。

 そして、これが難しいかもしれないが、「議員候補者試験」というものを導入することが必要である。最低限の一般常識、漢字の読み書き(笑)、行政知識などを身に着けているかを確認してもいいのではないか。

 ワシャの知る範囲だけでも、これらを全く知らずして、議場にやってくる野放図な議員のいかに多いことか。「これから勉強します」では遅いのだ。

 

 例えば、西三河南部(衣浦東部)で考えてみよう。5つの自治体に96人の議員が存在する。人口は53万人程度あるから、政令指定都市になる50万をクリアしている。面積は岡崎市の半分程度の202.54㎢で、ほとんどが平地である。これは行政効率がいい。

 政令市ではないが、人口規模が50万程度、面積430㎢の愛媛県松山市議員定数は43である。つまり衣浦東部の議員は半分が削減できることになる。その分、報酬を上げて、優秀な人材を集め、諸々の業務を与えて、しっかり仕事をしてもらえば、市民サービスもさらに向上するのではないか。

 

 足利市の騒動から話が発展したが、究極、議会の向上は、多くの人材に立候補を選択させるだけの魅力を、市に、議会に持たせることだろう。

 衣浦東部では「令和の合併」というものも一つの手段だと思うし、なにしろ町内会の寄り合いじゃないんだから、議場で「何言ってんだ、おめえは」なんて、とても痛いことを議長が言ってはいけない(笑)。

 

「令和の合併」については項を改めますね。

※阿呆議員