ワシ女でんがな

「こらあ~、こう見えてもワシは女やどー」

 身長170㎝、体重90㎏の体格の人間が、ブラジャーを付けながら怒鳴っている。

 トランスジェンダーは言ったもの勝ちである。「性自認」と言おうが「性同一性」と言い換えようが、英語にすれば「セクシャルアイデンティティ」で一緒のことで、「ワシは女だ」と言えば女、「俺は男だ」と絶叫すれば男になる。この認識が通ってしまう日本国っておかしくないかい。

 

 今朝の「天声人語」である。「天声人語」の直上に《LGBT修正案 自公了承》の見出しがあり、3面に《LGTB修正案「外圧」への対応優先》という記事。

 さらに社説で《LGBT法案 与野党で議論を尽くせ》と主張し、「声」欄でも「LGBT理解増進法案」について触れた投稿を載せている。朝日新聞、よほどこの法案を通したいのだろう。ということはリトマス試験紙が「通したい」なら、「通さない」ほうが正解となる。判りやすい(笑)。

 さて「天声人語」である。

性的少数者への理解を広める目的でも、これほど反発されるとは。自民党がきのうまとめた「LGBT理解増進法案」は、批判的な一部の保守派議員らの意見であちこちが修正された。》

 そもそも、日本は古代から「性的少数者」に理解を示す数少ない文化である。それはキリスト教イスラム教の影響の強い文化圏とは根本的に違うということを勉強しろよ、天声人語

 Lもいたし、Gもいた。織田信長なんかはBである。出雲のお国は男装をしていたし、歌舞伎の女形は女装をしている。陰間茶屋に通う男はGだったし、大奥にはLがまかり通っていた。それが何か「人権問題」を引き起こしてきただろうか。ねえよ、そんなもの。

 ただTは許容されなかった。長屋の熊さんが「ワッチは女になりました」と公言すれば、八五郎から「褌から何がはみ出てんぞ、バカ言ってんじゃねえ。働け」と拳固を食らうのが関の山。熊さんが「女」になりたければ、島田かなんかに髪を結い、女物の着物を着て、仕草、風情も装って陰間に通えばいいだけのこと。そうすれば八公も「おいおい」と言いながら、見送ってくれると思いますよ。

 言っているだけの「性」に対して「理解増進」をしようってところが、稲田代議士以下推進派の頭の悪いところである。

天声人語」は続ける。反対派の良識ある議員が、学校教育に関する発言で、「おとぎ話の王子様は男性と結婚しましたというような教材」が大手を振ってしまうことに懸念を示したという。当然ですよね。「性への自由な考え方」に根差せば、推進派は「なんで王子様が好きになるのは女性なんだ。少数差への偏見を生む。王子さまは男性と恋に落ちるべきだ」といちゃもんを必ずつけてくる。

 このいい例が、アメリカだったかイギリス映画だったか忘れたが、で中世のイギリス貴族の物語の中に、黒人貴族が登場したのである。製作者側は「人種差別を排除した映画だ」と胸を張るが、江戸城大広間に詰めかけた諸大名の中に黒人が混じっていたらおかしいでしょ?

「差別」というワードを振りかざして、過去の歴史・文化まで捏造してしまう、これを実行しようとしているのが「人権」「差別」を掲げる連中なのである。

 もちろん、支那とかロシヤがその根底にもっている「共産主義」の思想から言えば、歴史なんて都合よく捏造すればいいもので、過去を一切否定することのできる「革命」さえ成功し、権力を我が物にできればいいわけで、そういった連中に白かろうが黒かろうが、男であろうが女であろうが、女を装った変態であろうが、どうでもいいことなのである。

 いかん「天声人語」だけで1500字を超えてしまった。3面にも社説にも触れられなかった。

 しかし犬の遠吠えでも、これだけは言っておく。

「LGBT理解促進法修正案」を了承した自民党公明党にはがっかりだ。