どうした家康

 先週のNHKの「まるっと!」という番組で、「どうする家康」の衣装の秘密に迫るとかいうテーマで、関係者のような人が出てきて、三河武士たちの甲冑姿について語っていた。

 最初から違和感があったんだけど、松平家臣団の平岩親吉(岡部大)が兜に藁を垂らしてかぶっている。平岩ばかりでなく、その他にも鎧に蓑を羽織った侍もいて、いやに藁藁しているなぁと思っていた。

 でね、「まるっと!」での説明を聞いていれば、「三河→農耕地域→藁に誇りを持っている」というを「藁をまとわせることで視覚的に表現した」んだとさ。

 おいおい、勝手に解釈しているんじゃないよ。先進地域の尾張、京風の文化が色濃かった今川に挟まれて、確かに三河は田舎ではあった。尾張衆には「人よりサルのほうが多い」と言われていたくらいで、これが国会会期中の発言ならば首が飛びまっせ(笑)。

 印象としてはそうなんだろう。ワシャだって三河という風土は田舎だと思っている。それが500年も前ならサルが甲冑を着ていてもおかしくないくらいだったろう。

 でもね、やはり映像にするにはきちんと時代考証をしなければいけない。ただ印象だけで、三河武士を藁まみれにしていいのだろうか。もちろん当時、雨天の時に蓑をまとうの当然のことで、それは奥州であろうと九州であろうとそうだった。しかし殊更に三河武士だけにそれをまとわせ、田舎、貧乏、質素(実際にそうだったが)を強調するのはいかがなものだろうか。

 近年、NHK大河の歴史考証がはなはだお粗末になっている。国民にきちんとした歴史を伝えることも国営放送の大切な使命ではないか。

 ま、それを偏向報道のNHKに求めるのは無理でしょう。