今年は「徳川家康」で始めよう。もちろん令和5年の大河ドラマが「どうする家康」であるからで、このことは西三河という地味な地域に脚光を引き寄せる最大のチャンスだからだ。
しかしこの千載一遇のチャンスに動けないバカがいる。岡崎市は10億円という予算を組んで、専門の部署まで立ち上げ、「どうする家康」の波及経済効果400億円を狙って動き出した。10億円の市費を使っても、岡崎に20億円の経済効果があれば元が引けるからね。そういったことにトップは敏感にならなければいけない。でも、鈍感力が強くしわいトップが君臨する町では1000万円ほどの予算しかつけず、来街者は自然に湧いてくるものだとでも思っているようだ。それではダメじゃん。
そんなことはどうでもいい。それよりも「徳川家康」のことである。ワシャは徳川家康関連の文献をかなり所蔵している。山岡荘八の『徳川家康』は箱入り単行本で18巻、新書サイズで26巻、どっちも読んだんだけど同じ内容だった(バカ)。その他に司馬遼太郎の『覇王の家』とか『関ヶ原』。専門書では『家康の族葉』、『家康の臣僚』、『徳川家康文書の研究』から『徳川実紀』まで関係書籍が400冊くらいは棚にある(自慢高慢バカ)。
そこに最近、入ってきた本が2冊あるんですよ。
『NHK大河ドラマ・ガイド どうする家康 前編』(NHK出版)
この2冊は解り易くていい。『徳川実紀』から同じことを読み取ろうとしても大変な作業になるけれど、「大河本」なら一目で解る。そして俳優陣の熱演でイメージも湧きやすい。おおむね三河人というのは実直だが性格がかたくなで煮ても焼いても食えないという人種である。これらをイッセー尾形、松重豊、小手伸也、甲本雅裕、松山ケンイチ、山田孝之などで固めていて、これは見処になるだろう。おそらく終盤まで家康の周辺に「三河人」がうろうろすることになる。そこに「三河人」と「三河人以外」の対比のようなものが描ければおもしろいドラマに仕立て上がると思う。
1回目に桶狭間の合戦が出てくる。桶狭間は尾張だが、ほぼ三河に隣接し、ワシャの係累も桶狭間の北側の沓掛城あたりにいるくらいで、もう地続きといっていいところだ。
2回目は、桶狭間の今川軍の敗走を受け、家康が岡崎城に入場するかどうかという決断を迫られる場面。もちろんまわりにウロウロしているのは性格の悪い三河武士ばかり(笑)。
3回は三河平定戦。4回、5回も家康は岡崎にいる。6回は「上ノ郷城攻め」だから蒲郡(東三河)。
そして第7回だ。ここから安城市を舞台にした「本證寺合戦」が始まる。家康若き時代最大の危機である。なにしろ家臣の半分が信仰のために敵側にまわるという屈辱を受ける。第8回、第9回も「三河一向一揆」で話が進む。
ここに照準を合わせて観光プロモーションを組み立てろ、シティプロモーションを仕掛けろって、安城市には言ったんですがね、ケチな首長が900万円しか予算をつけなかったから何もできない(泣)。
これ戦国の合戦なら、10億円を投入した岡崎勢に安祥松平は全滅してまっせ。 首長には1月から3月が勝負だと言ったんですがね。鈍感力というか、そもそもプロモーションのセンスのないリーダーでは如何ともし難かったのだろう。
しかし、御輿が軽いならその分、担ぎ手が盛り上がっていけばいい。その活力も5期20年で失われたか。
安城市は、半田の新美南吉を使って大騒ぎをした。未だにしている。この機に、岡崎の家康も「安城の家康」にできたものを。惜しいことをした。千載一遇のチャンスだったのに、ネタは脱兎のごとく逃げていってしまう。
がんばってね安城市(やれやれ)。