彼岸へ逝く人

 今朝の朝日新聞1面、鷲田清一の「折々のことば」。評論家の津野海太郎さんの随想集『かれが最後に書いた本』の中の言葉が載っている。

《三途の川を挟んでの、そんな人間同士のさしのつきあい。ともあれ、案外、さっぱりしたものなのですよ。》

 これを鷲田さんが解説する。

《人は独りで死ぬのではなく、同じ時代を生きた友だちと「ひとかたまりになって、順々に、サッサと消えてゆく」のだと》

 津野さんの随想集を読んでいないので、深くは語れないが、三途の川の彼岸と此岸に立っているんだけれど、逝ったあいつも残ったオレも、差しの付き合いは継続していて、未だにさっぱりとした気分で付き合っている。そしてその時代を、場所を共有して生きた人々はどちらにしても100年くらいの間には総入れ替えとなって、みんな揃って三途の川の向こうに逝くのである。そう思うといくぶん気が楽になるか。

 

 速報が入った。

渡辺徹さん死去 61歳 敗血症 病気と闘った半生 10月舞台はほっそりした姿 榊原郁恵とおしどり夫婦》

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6446477

 お若い。感じのいい俳優さんだったので、ちょっとショックだった。隣国の元主席の訃報が回ったばかりだが、元主席の影響力から考えると、渡辺さんのほうが、ワシャ的には大きなことだと思える。