《喋って解決するような物事は世の中にはひとつもありません。喋れば喋るほど紛糾するのが世の中です。》
仰るとおり。左派、リベラルが唱える「話し合えば分かり合えるのよ~」がまったく意味がなかったことは、今回のプーチンの虐殺戦争を見れば一目瞭然だ。
この言葉が、渡辺さんの『なぜいま人類史か』(洋泉社)から引かれていた。ワシャの書庫には渡辺京二がずらっと揃っているので、さっそく本を引っ張り出してきて、冒頭の言葉を探しましたぞ。あちこちに付箋が打ってあるので10分ほどで見つかった。80ページに「言語の働き」について語ったところにある。
解説は鷲田清一氏のものが適当なので、こちらも引いておく。
《人は何でもかんでもペチャクチャ喋る必要なんかなく、人の賢さも人柄やたちも、たとえ使う言葉が違っても一目で見抜けるものだと、日本近代史家は言う。》
実は、この『なぜいま人類史か』は、現状のウクライナの悲劇を踏まえて読むといろいろ含蓄があって興味深い。
《この世に大規模な災厄をもたらすのは、ある理想を求める衝動だともいえるのです。》
おおお、プーが武漢肺炎下で偏った歴史書を読みふけったために、大ロシヤ主義なる妄想の理想を掲げてしまったのが、この愚挙の根本ですもんね。
続ける。
《創価学会や天理教のようなものは、けっしてそんな大騒動を巻き起こしはしません。あの人たちは要するにわが身がかわいいだけです。》
親中派の公明党が、「防衛費」だの「敵基地攻撃能力」などにケチをつけているのは、近々に大騒動を起こそうとしているのではないが、長期的に見ると日本に大災厄をもたらしますよ(怒)。
さらに続ける。
《理想主義というのはひとつ間違うととんでもなく恐ろしい結果を生む(中略)理想とか夢を追うのは小児の心性である。》
まさにプーチン、暴力依存の不良少年のような行動形態をとっている。知恵のないクソガキが権力を持つとこういう悲劇が起きるという典型ですわな。
渡辺さんは重ねてバカに「大人になれ」と言う。そして大人になるには、「評論家の磯田光一の文献を当たれ。もっと下世話な形では、司馬遼太郎とか田辺聖子とかいう上方出身の作家がそういう思考の典型を示している」と方向を示してくれている。「下世話」というのがちょこっと引っかかりますがね(笑)。