日本は豊かになった

 お祭りでワシャはくじ引きコーナーを任された。くじは3種類で、1つは「ぱっちんカップ

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というやつ。ゴム製の半球体形なんだけど、ひっくり返して置いておくと復元力が働いて、その反動でピョンと跳ねるという単純なオモチャだ。

 でもね、これが人気があって、当日会場で配られた「50円券」でくじ引きをする子供たちが引きも切らない。

「ぱっちんカップ」は3セット用意され、1セットあたり100枚のくじがあって、大きいぱっちんカップが当たりで20、ハズレは2回りくらい小ぶりのぱっちんカップが80用意されている。それが250くらいはけた。

 その中にちょっと小太りの女の子、どうだろう、小学校4年くらいだろうか、その子がはまってしまって、手持ちの50円券5枚を全部使い切って、全部はずれだった。悔しがって帰っていったが、また20分後くらいにそのくじの前に現われた。母親かなぁ、女性が付き添ってきて「現金でもできるか?」と問うので、「できまっせ」と答えると100円を1枚出して、2回やった。そしたらね、大きいほうの「ぱっちんカップ」が当たったのだった。その子は顔を真っ赤にして喜んで帰っていった。 それから30分後くらいかなぁ。その子はまたやってきた。今度は200円を出して4回くじを引いた。残念ながらみんなはずれだった。さらに女の子は閉店までの間に、3度で合計500円を投資している。最終的にはもう1つ大きいのを当てているが、この女の子、将来はギャンブラーになるんじゃないかなぁ・・・と、ちょいと心配になった。

 でもね、この子の例は特殊ではないんですね。サッカーの練習帰りの集団の中にも都合20回くらい引いた少年がいたし、ほとんどの子供が1回だけで済ますようなことはなかった。必ず複数回引いて、喜んだり悔しがったりしていく。 こういった体験を重ねて、人は射幸心を育てていくのだろうか。

 ワシャがくじを引いた時代には子供が10回も20回もそれのみに金を費やすなんてことはなかった。せいぜい2回か3回で打ち止めにしたものである。日本人は裕福になった。

 しかし、どこかの部分で痩せてしまったとも感じた。