(続)自転車を買おう

 とにもかくにも、2時間ほどねばってようやく部品の調達が整い、自転車本体も系列店で確保した。最初はすぐに乗って帰るつもりだったのだが、そんなわけで納車は1週間後ということになった。

オバサン店員が熱心に薦めるので、自転車も1グレードアップしており結局71,100円の見積もりになった。まぁ仕方がないね。でも、オバサン店員が「タイショーが値引きしてくれますから」としきりに言ってくれたのに期待して、タイショーの最終的な決断を待った。

オバサン「(見積もりをタイショーに提示して)タイショー、いくら値引きしますか?」

タイショー「う~ん」

 1割でも7000円、そのくらいは言ってほしいところだ。

タイショー「うううう」

 せめて消費税くらいはおまけしてくれよ。5000円くらいは引いてくれ……とは、ワシャの心の声。

タイショー「うむむむ」

いつまで悩んでいるんだ。3000円くらいなら引けるだろう……これも心の声である。

タイショー「よし、100円」

 ワシャとオバサン店員は、ドッヒャーとなってしまった。オバサン店員はタイショーの顔をジロジロと見ていたが、ワシャが「ハハハ」と笑って、1万円札7枚と千円札1枚をカウンターの上に並べたのを見て、苦笑いをしながら頭を下げたのだった。