堀江さんと高橋さん

 たまたま堀江貴文さんのユーチューブ番組を見ていたら、高橋洋一さんがゲストで出ていた。1年前のものだったので、内容については古いはずなんだが、「道州制」とか、「知事の能力」についての話はおもしろかった。

道州制」のほうは、これだけITが進んできたので、都道府県などという小さな区割りではなく、大きくしても充分に行政は回っていくと指摘し、警察機構や救急救命に関わることについては、「県境を越えられません」では、どうしようもないと言われる。まさにそのとおりで、今回の武漢災害の折にも、知事たちの判断はなかなか県境を越えてされることはできなかった(やったところもあったけどね)。 なにしろ国自体に「有事」という意識が希薄だから、地方自治体もそれに引きずられて、武漢ウイルスについても後手後手に回ったことは、記憶に新しい。

 フニャチンの国から権限を委譲させ、都道府県をいくつか統合して州にする。その州は、人口20万から50万級の基礎自治体で編成する。これがもっとも効率的な行政運営をするかたちだと信じている。

 ここから「知事の能力」に話が及んで、「たまにいい人いるけど、とんでもない人もいるから」と、堀江さんが仕掛けると、高橋さんは「それでも有権者が選んでいるわけだから」と受け流した。でも、高橋さんの真意は、有権者がバカだと言っているに等しい。空気に流され、ポピュリストの甘言にすぐ騙される。愚民とは言わなかったけれど「それが民主主義だから」と自嘲しておられた。

 その他に、「人との会話が成立しない」ことを堀江さんも高橋さんも嘆いておられた。とくに堀江さんは、この後、今回、参議院議員選挙に出馬されている猪瀬直樹氏との対談をするのだが、その会話がまったく噛み合わないというか・・・これ以上は選挙後にするけれども、言葉の通じない人というのが存在するということを、堀江さんと高橋さんの愚痴から再認識させられた。

 堀江さんは東京大学であり、高橋さんも同様である。とくに高橋さんは数学科という特殊なところを卒業されているのだが、それでも一般の人と話しても、言葉が通じる。しかし、ヘンなプライドに固執する知識人との会話では、会話が成立しないのである。その典型が・・・おっとっと、剣呑剣呑。

 ワシャも言葉が通じないという体験を何度もしている。むろん相手との知識量が格段に差がある時にそうなるのだが、評論家の呉智英さんなどは、ワシャの無知を察して、かなりレベルダウンをして話をしていただけるのでありがたい。 東大卒の講師でもモノの悪いのもいましたぞ。官僚そうろうの連中は、こっちが知っていることをあえて難しい言葉に換骨奪胎して、権威を醸して、持論を押し付けようと努力するんだけど、そういうバカってすぐに見透かせるので、そういう講師の時には、「ご苦労なこって」と、ひっそりと講義会場を後にすることもしばしばありました。

 話が逸れまくったが、堀江さんと高橋さんの知的な議論はとてもおもしろかった。後段の「言葉が通じない」話は、また機会を改めて。