大人は多くを語らず

 このオッサン、ここまで言わなければまともな知事という評価が受けられるのに・・・。

《大村知事「民主主義の中で最も悪質」 リコール不正の有罪判決受け》 https://news.yahoo.co.jp/articles/9e6317ad2a51aa298a9a031b1f9f06923e1d1176

《愛知県の大村秀章知事は12日、自身に対するリコール(解職請求)を巡る署名偽造事件で広告関連会社の前社長に下された有罪判決を受け、記者会見で「戦後の民主主義の中で最も悪質と言っても過言ではない」と指摘。「事件の実態解明は、まだ緒に就いたばかりだ」と述べ、署名活動団体会長の高須克弥氏と、支援した河村たかし名古屋市長に対し「事実関係を明らかにしていく責務がある」と求めた。》

 出たがりで出しゃばりなのはしようがないが、もう還暦をこえている。もう少し落ち着いた方がいい。

戦後民主主義の中で最も悪質と言っても過言ではない」って、確かにそうなのだが、戦後民主主義の中でもまれな「知事のリコール」をかけられたのは誰だったっけ。そもそも、リコールが適正に行われ、たとえそれが基準の数値に届かなくとも、知事としてこれほど恥ずかしいこともあるまい。まずはその発端のところに思いを馳せられれば、目を剥いて「戦後民主主義の・・・」などと叫ぶことの愚かしさに気がつくだろう。それでなくとも怖い顔なんだから、そこはそれ、静かな口調で「そうですか、有罪判決が出ましたか。今後の推移を見守りたいですね」とか言っておけば一枚も二枚も株が上がったものを。

 どちらにしても、この一連の騒動で、大村秀章という政治家があまり物事を熟考するタイプではなく、津田大介あたりの和式リベラルに乗せられて、反日プロパガンダを「言論の自由」と言ってはばからない阿呆であることがよく見えた。

 その点で高須先生は男らしかった。物事を深く考えない河村ミャーミャー市長と、「先生」になることしか頭にない口先男に騙されてしまったわけだが、ヘンにべらべらと言い訳をせず「とくにありません」とコメントしただけ。軽薄な河村市長を絶交したことで高須先生はすべてを体現しているからね。 高須先生の義憤にかられて名古屋まで応援に行った有本香さん、百田尚樹さん、竹田恒泰さん、武田邦彦さんたちも、メダルを噛むことくらいしかできない河村市長に愛想を尽かしてしまった。 もちろん中身のない和式リベラルの津田に踊らされたメンツだけの知事などは端から相手にしていない。しかし、愛知・名古屋ではこういった信念のないポピュリストの人気が高いこともまた事実で、ワシャのような考え方は極々少数なのである。

 名古屋市民には「河村さん、ああ見えてもいい人だよ」と言われたし、愛知県民には「不自由展開催のどこが悪いの?」と聞き返されてしまった。

「文藝春秋」藤原正彦さんの言をもう一度引いておく。

《民主主義の欠陥は「国民主権」が、「国民が成熟した判断を下せる」という永遠に満たされない前提の上に成り立っていることだ。民主主義とはほとんど常に衆愚政治でありポピュリズムなのだ。》