地方議員に求められるもの

 近くの自治体で市議会議員の選挙がある。それはいいのだけれど、現状、29人の議員中70歳超えが11人、65歳以上で20人である。

 あの~、一般社会ではおおかた60歳定年、再雇用で65歳というところではないだろうか。それに比べて、議員という商売はありがたいというか、いい商売でヤンスね。今期で最後らしいが、80歳の翁もおられる(笑)。

 基本的なことを言おう。とくに普通の基礎自治体の市程度であれば、まず70以上の議員は要らない。それも期数を重ねて地域の「重鎮」だと思い込んでしまったジジイは害以外のなにものでもありません。狭いエリアで田中角栄ごっこ二階俊博ごっこのままごとをやられてもねぇ(笑)。だいたいそういうジジイの権力の源泉は国会議員を知っているとか、知事に口がきけるとか、まことに小さな閉鎖的なネットワークであったりする。

 市議会議員など特別な知識はいらない。一般的な常識と、健全な郷土愛と、新聞を読んでその論旨をまとめられるくらいの能力があれば充分務まる。

 反対に、自己顕示欲が強過ぎたり、政治を意識したり、他者を慮れなかったりする人物は不向きだ。しかし、この手の不向きが多いことも現実である。

 平成26年(2014)に上梓された『トンデモ地方議員の問題』(ディスカヴァー携書)という本がある。この中に「選んではいけない議員・候補」のポイントがまとめられているので引いておく。

(1)知事や市区町村長、国会議員などとの関係の深さをやたらアピールする人

(2)自分の手柄話ばかりをする人と、反対に自分の意見を言わない人

(3)自分の地元や支持団体にしか目を向けない人

(4)選挙公約に具体性がない、詳細に書いているものの政党やどこかのマニフェストのまる写しが疑われるもの。切り貼りやコピーペーストを行っている候補者

(5)自分のビジュアルやイメージを常に意識し、それらを全面に押し出すような人

 著者の地方自治ジャーナリストの相川氏は、こんなことも付け加えて言っている。多少ワルシャワふうにアレンジしています(笑)。

〇国会議員や知事の子分みたいな議員。とくに上を「ボス」などと呼称するコバンザメ

〇さらにそれらとのツーカーさをアピールする口利きひけらかし議員

〇地元の要望ばかりに駆けずり回っている地元ポチ

〇自分の言葉でしっかり話さず、執行部の作成する原稿だよりの議員

 そしてこう断言している。

「物事を人にわかりやすく伝える力のない人は、議員には向かない」

 そういうことなのである。

 人の話を聞かず、「だまらっしゃい!」と一喝して物事を決めようとする長老・高年齢議員はいらないし、そもそも地方議員は3期10年もやれば充分にいい仕事ができる。3期で70歳を超えるようであれば、後進に道を譲って、地域をさらによくするために、若いエネルギーを注いでもらうほうに誘導したほうが絶対にいい。

 所詮、地方議員なんだもの、5期も10期も固執するほどの仕事ではないわさ。

 ただしまともな人もいることは否定しない。ごく少数だけどね。