地方自治の劣化

東国原英夫 “5万円給付市長の「シャンパンでも飲んで」に苦言「本当に困ってらっしゃる方がいる」》

https://news.yahoo.co.jp/articles/15ff251a7e5a154d0fe1b8605d3eefc63443f2df

 全国放送でもネタになっているのか(笑)。愛知県の岡崎市長選で当選を果たした中根市長が公約に掲げた「全市民への5万円支給」のことである。

 この市長、今年のクリスマスまでに支給する方針らしく「クリスマスケーキを買っていただいて、シャンパンでも飲んでいただきたい」とコメントしたそうな。

 そのことを取り上げて、東国原氏がニュースのタイトルのような苦言を呈した。

 

 それはさておき、若干でも地方自治を知っている者として、少し懸念していることがある。昨日の中日新聞西三河版に《「5万円支給」どう実現?》という大きな見出しが躍っているのだが、中根市長、どうやって200億円近い財源を、それも2か月程度で確保するのだろうか?

 岡崎市、財政力指数が0.98とか記憶しているが、それほど貧乏な自治体ではないが、けっして金が有り余っているということでもない。

 一般会計で1300億円程度と記憶しているので、その中での200億円の捻出というのは尋常なことではない。小さな区画整理ならやれてしまうくらいの金額をどう準備するんだろう。

 記事を読むと、中根市長が中止を言っているコンベンション施設で80億円を浮かせるつもりらしいが、それって市長の手元に80億円があるわけではない。余剰金40億円も財布の中に入れて皮算用をしているようだけれど、これも予算としての数字はあっても、確定したものではなく、実際に使えるのは5億円だったというお粗末。「市債」(借金)を当てにしていたようだが、これも建設事業費以外で発行するのは困難で、「国債」と同様なものと考えていたとしたら、ちょっとおバカちゃんだったね。

基金」(貯金)を切り崩すとも言っているようだが、すでに今回の武漢肺炎禍で、どこの自治体も「基金」に手をつけて、貯金は目減りしている。岡崎もその例外ではない。「195億円の貯金をすべて使い切ればなんとかなる」と思っているようだが、これを使い切ったら、次に大きな感染症が発生したり、地震災害や風水害に見まわれた時の緊急に使える金を全部はたくことになる。これはやってはいけない。

 おそらく副市長以下の財政担当者は、夜も寝られないだろうが、ワシャが岡崎の担当部長なら、「絶対にできません」と市長に申し上げる。できないものはできないのだ。その結果、また左遷となってもいたしかたない(笑)。