潔さと卑怯さと

《グレタさん、バイデン氏支持 若者に影響 米大統領選》

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6373390

 たかが17歳の小娘が、世界を左右するかもしれない政治に口を出してくるんじゃねえぞ。まずは偉そうにモノを言う前に、お勉強をしてろっての。

 ワシャは、この大人に踊らされている少女をかわいそうだと思っている。まさに操り人形役をさせられて、エセ環境問題のシンボル的存在に奉られている。

 それにしても、この小娘の行動にも嘘が多い。二酸化炭素排出をしないためにヨットで世界を行き来する。そりりゃぁ結構だが、そのヨットを往来させるために、スタッフがあらかじめ飛行機で何往復もして調整を重ねるんだとさ。そんなら最初からオメエが1人飛行機で行けばいいだけの話なのである。

 ドリーマー全般の傾向であるのだが、体裁を整えるために「嘘」をつく。あるいは「真実」を隠す。この小娘も含めてこういった卑怯な奴らが大嫌いだ。

 

 昨日11日に、ドリーマーとは180度反対の潔い人たちがその命を絶っている。ひとりは渡辺崋山、もうひとりが山口良忠である。ワシャはこの二人の潔さは尊いものだと確信している。

 渡辺崋山はご存じですよね。江戸末期に「蛮社の獄」に連座三河田原藩に蟄居させられた、武士であり画人であり蘭学に通じ経営能力の高い家老でもある崋山であった。すでに世界の情勢は家康の頃とは大きく変貌している。しかし、200年の太平の中に微睡んでいる江戸幕府は旧態のまま。古法を振りかざす後進政権であった。

 日本近海に外国船が現われる状況になって、その中で「海岸掛り」を仰せつかった崋山が、蘭学者を集めて蘭学の研究、海外事情を研究、海防の研究をしていた。そのグループが「蛮学社中」という経世的な知見を集めることになる。このグループには幕臣もいたんですよ。ここに旧態依然とした林家という徳川漢学を司る学者バカが登場することで悲劇が始まってしまう。

 要するに古い漢学では、現在の危機は救えないのである。しかし、漢学派のトップの倅が鳥居耀蔵でんがな。こいつ、江戸の歴史の中でももっとも悪役と言っていい癖者で、徹底的に洋学者を弾圧して、下手をするとこいつのせいで日本の開国が遅れたかもしれないと言っても過言ではあるまい。

 話が逸れつつあるが、軌道修正すると、とにかく卑劣な弾圧で、非のない崋山が蟄居させられ、さらにその後、旧態派のさらなる非難を潔しとはせず、自ら命をたった。49歳である。

 

 もう一人の山口良忠である。かれは昭和の人であった。戦後、日本全土が飢えていた。極端な食糧難の中、人々は買い出しに走り、闇の物資に手を出さざるを得なかった。その中にあって、東京地裁の山口良忠判事は「闇取引を裁く法の番人として闇米を口にするわけにはいかない」として、わずかに配給される米のみの生活を頑固に押し通した。この結果、昭和22年10月11日に栄養失調で死ぬ。この悲しいまでの潔さには衷心から敬意を表したい。

他に示すことと、自らを律することに矛盾のない生き方、これがどれほどの人にできているだろうか。おそらくワシャを含めて普通に生きる者にとって、崋山や山口のような毅然たる生き方はなかなかできるものではない。それでもできる範囲で正直に生きようと頑張ってはいる。

しかし、冒頭に出したエセ環境主義者の小娘に代表されるドリーマーたちのいかがわしさはワシャらの比ではなく、崋山らの対極にある卑怯さと言っていい。だから、他国の大統領選に対して偉そうにモノを言うガキを軽蔑する。何様だと思っているのか!