上方漫才の人生幸朗師匠の決め台詞が「責任者、出てこ〜い!」だった。ずっと師匠は社会の矛盾にぼやき続けたが、今の時代の不甲斐なさを目の当りにしたら絶句していたかもしれない。
神奈川県逗子市でストーカーに女性が刺殺された事件で、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121109-00000652-yom-soci
逗子警察署の係員が、キチガイに対してご丁寧にも被害者の住所氏名を教えていたのだそうな。バカ正直にストーカーの前で逮捕状を読み上げるなよ。
そして、被害女性は、何度も逗子警察署にストーカー被害の相談をしているのだが、
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121109/crm12110910080005-n1.htm
「警察はなにもしてくれない」と嘆いていたという。
残念ながら、数ある役所の中でも警察組織というのは、もっとも旧態依然としたシステムを温存してきた。もしかしたら川路利良(かわじとしなが)が明治7年に東京警視庁を創設して以来、中身は変わっていないのかもしれない。
某講演会で他の登壇者が「イベントを実施する際に一番ネックなのが警察」と言ったのを受けて、ワシャが「そうそう」とうなずいただけで、翌日、警察の関係者から恫喝された。普通はそんなことで苦情を言ってこないだろう。
ワシャの思い出などどうでもいい。ここで問題なのは、現場のボンクラでもなく、窓口のポンツクでもなかった。最初の記事を読んでいただくと《同署の山口雅見副署長は「刑事訴訟法の手続き上、逮捕状を読み上げた当時の判断は適切だった」と説明》というフレーズがある。ここに大きな問題が隠されている。説明の内容なんかどうでもいい。問題は、テレビもそうなのだが、会見をしたのが副所長だということなのだ。いいですか。組織で責任を負うのはトップである。当然のことながらこの記者会見は署長が出てきて、きっちりと説明をする、弁明をするという姿勢でなければいけない。トップが卑怯であることが、部下のボンクラ、ポンツクを生む。トップが緊張していないから、組織のタガが緩むのである。
この事件における警察側の病根は、副署長に会見をやらせて陰に隠れている逗子警察署長と見ている。責任者、出てこい!