読書会

 昨日、読書会。20人ほどで使える会議室を借りて、そこを3人で利用した。メンバーとの距離はゆうに3mはある。そこも1時間程度で切り上げて、いつもの居酒屋に移動する。その居酒屋もカウンターに2人の客がいるだけで、6人が座れるテーブル席は6つとも空っぽで、靴を脱いで上がる座敷10席、テーブル席6席も人っ子一人いない。完全な貸切状態となった。刈谷という三河最大のターミナル駅前の人気の居酒屋ですらこうなのである。他の居酒屋、飲み屋の状態は推して知るべし。

 この店でも6人席を3人で使って、酒を注ぐのにやや遠いくらいの距離感で、小一時間を過ごす。

 帰りのJRも車両の両端の窓が開けてあって、風がビュービュー吹き込んでいた。これなら大丈夫だね。空席が目立っていたし、誰一人声を出すようなこともなく、マスクをつけて粛々とスマホと睨めっこしているような状況だった。

 日本人は真面目だ。きちんと国の要請を受け入れて、それぞれが不自由な思いをしながらも、武漢肺炎に打ち勝つために頑張っている。午後10時、黙々と帰宅をするサラリーマンの皆さんに頭が下がる思いだった。

 

 その日の課題図書が、マハティール・モハマド『立ち上がれ日本人』(新潮新書)だった。マハティール、長期にマレーシア首相を務め、東南アジアでもっとも有名な政治家であろう。その新刊が出ていたので課題図書にした。

 なかなか日本人には厳しい言葉が編まれていたが、それでも帰宅の電車の中の勤労者を見るに、マハティールが「ルックイースト」を掲げて、で日本人の、日本のやりかたを真似て、マレーシアを復興してきた理由が理解できる。

 そして、戦後70年で、アイデンティティを見失ってしまった民族に対し「中国に怯えるな、米国に盲従するな、日本人よ、誇りを持て!」と檄を飛ばす。

 

 この武漢肺炎という国難を、日本人はどう戦って切り抜けていくのか?おそらくマハティール氏はマレー半島からじっと見ているに違いない。