もう旧聞に属するが、ワシャの知人が、4月4日のツイッターで「問題の会見を見たけど大村さんが何で非難されてるのかまったくわからない。なんで??」と呟いていた。「問題の会見」というのは4月2日の大村愛知県知事の記者会見のこと。
この会見の発言が非難の的になるのは、おそらく「うち(愛知県)は問題ない」「医療提供体制は十分に確保している」というところだと思う。
知事は「数字に基づいている」と何度も繰り返していたが、これは間違いだ。「数字は嘘をつかないが、嘘つきは数字を使う」とまでは言わないけどね(笑)。
まず、知事が毎日毎日、見づらい表をツイートしてくれている。が、あれはあくまでも表面的に把握されている数字であり、今回の武漢肺炎には8割の発症しない人間がいるということを忘れてはいけない。知事が見ているのは氷山の海面から上に出た部分だけであって、海中にどれほどの氷塊が沈んでいるのかは、どれだけ「数字数字数字」と連呼したところで絶対に見えない部分である。そして今回の武漢肺炎で恐いのは、その海中氷塊のデカさと、その感染力なのである。
「そんなことは判っているよ」
と、言われるかもしれない。でも、神様でもない限り全体を把握することなどできません。強がり言ったり、詭弁を弄するのは勝手だけど(勝手ではないけれど)そんなことはありえず、全体像は絶対に見えない。
政治家は、数字に持たれてしか仕事の出来ない役人と同じことをしていてはダメだ。その見えない部分を、想像力を働かせて、経験と照らし合わせ、推測していく。その上で県民のために最善の策をとること、これが重要なのである。
「医療体制は十分に確保してある」
これもウソだ。そうであるならば県内の医師会から、要望など出るはずがなかろう。現に、あちこちの医療機関から悲鳴が出ているのを知事は知らなのか。数字を使って言うのなら、東京では病床数が足りなくなっている。東京で不足する分を周辺の県で受け入れることになれば、愛知県に搬送されることだって視野に入れておかなければならない。また、周辺の県では、元々病床数の少ないと聞いている。そうなれば県をまたいだ救援ということにもなろう。国をあげての武漢肺炎対応に愛知県がそっぽを向くことはできない。そういうことを考慮すれば「十分」などという言葉は使うべきではなかろう。
愛知県内のことだけしか見ていないところも、視野が狭いと言わざるをえない。
すでに豊橋の医療関係者からは悲鳴が上がっているとも聞く。さらに、ワシャの知っているところでも、どこかの県立施設の入学式に出席するために、遠方から電車や地下鉄を乗り継いで県職員が出席させられているという。
こういったあまさに、まともな識者たちも声を上げている。
《大村知事さま「迷惑千万だ」発言は新型コロナを軽視しすぎでは?(「助けて」SOSの反響追記あり)》
https://news.yahoo.co.jp/byline/mizushimahiroaki/20200404-00171394/
愛知県民750万人の命に関わることである。問題認識をしっかりと持っていただきたい。