あれやこれや

 いずれこの「武漢肺炎国難」については、しっかりとした検証をして、正確な歴史を後世に残さなければならない。日露戦争を、辛勝したが、きっちりとした確認作業を行わなかったがために、その40年後、国を滅ぼす寸前まで追い込まれた。

 今回の危機も、日本人はなんとかのり切るだろう。しかし、そのことを「つまらぬ戦勝気分」で流してはいけない。

「何が悪かったのか」

「誰が悪かったのか」

「どのタイミングで何を判断しなければいけなかったのか」

 こういったことを全関係者を対象にして徹底的に聞き取りを実施する。これは高齢だから、高位だからと言って、容赦をしてはいけない。すべてを検証して事実を未来に残すこと、これが次の悲劇を招かない最良の方法だと思う。

 言ってしまえば、二階俊博という政治家が、どういった動きをしたことで、日本が窮地に追い込まれたか。厚生労働省日本陸軍の陥った「官僚システム」の弊害を比較検討してみるのも大切なことだろう。あるいは安倍首相の判断がどうだったかを、情に流されることなく歴史に残しておくことが後世の日本人にどれほど有り難いか。

 落ち着いたら、官民を挙げてこの検証作業に着手し、バカを洗い出すこと。おそらく親中派の政治家や、見識の浅い学者などが、なんとか逃げ切ろうと卑怯な対応をするだろうが、それは許してはいけない。日露戦役では、無能な将軍たちの言い訳を聞き過ぎたがために、記録そのものが無意味なものになってしまった。司馬遼太郎さんが古書店にタダのような金額でこの膨大な死料が並んでいたのを見て、嘆いておられたものである。

 バカがバカな判断をした、そのことを必ず残しておくこと。これはバカを貶めようというのではない。後世の人たちがバカを繰り返さないために必須のこと、絶対に残しておかなければいけないのだ。

これはバカを責めるためのものではない。しかし、後世のために、己がバカだったことを、それだけは甘んじて受けてほしいと思っている。

 

「國の中に烟發(けぶりた)たず。國皆貧窮(くにみなまず)し。故、今より三年(みとせ)に至るまで、悉(ことごと)に人民(たみ)の課(みつぎ)、役(えだち)を除(ゆる)せ」

仁徳天皇が詔を出され、その3年後、民の竈に煙が上った。景気は「気」である。今や二階肺炎で、武漢肺炎で、日本の状況はかなり混乱している。ここは安倍首相、仁徳天皇を見習ってくだされ。消費税3年間0%。これをやったら消費は復活する。日本人は復活を遂げる。

「財源はどこにあるんだ!」と偏差値バカの財務官僚は激怒するだろう。財源なんかなくたって仁徳天皇は政治決断をした。大蔵をあずかる家臣どもは右往左往しただろうが、それでも民の竈に煙を立たせることのほうが大切なのだ。

 

 司馬遼太郎の名作『燃えよ剣』が映画になる。

http://moeyoken-movie.com/

 主役の土方歳三岡田准一さんが演じる。いいじゃないか。そして、土方の想い人のお雪は柴咲コウさんである。いい感じですね。近藤勇鈴木亮平さんも、もう少し強面のほうがよかったが、まあまあか。ただね、芹沢鴨がちょっと違うかも。伊藤英明さんはいい役者だと思う。しかし、表情にいい人さが出過ぎてしまっている。もっと芹沢鴨はギラギラしていなくっちゃ。

 司馬遼太郎の短編に『芹沢鴨の暗殺』というものがある。その中の芹沢の描写である。

《大きな眼の肥大漢》

《切り裂くようなカン高い笑い声をあげ、しかも笑いながら周囲を恫喝しているような響きがあり、そのくせ、当人の眼だけは笑っていない。眼だけが別の生きもののようにじろりと周囲を意識し、しきりと杯をかさねている姿は、一種の異常人であった。》

 そうなんですよ。芹沢鴨は異常人なのである。伊藤さんではいかにも常識人でいいひとに見えてしまう。NHK大河では佐藤浩一さんが芹沢を演じたが、彼をもってしても異常人芹沢鴨は演じきれなかった。このあたりをどう伊藤さんが演じるのか、楽しみだな~。

 お雪の柴咲さんは見事なキャスティングだと思った。小説ラストの函館の墓地に佇むお雪に、日和雨がパラパラと降ってくる情景を思い浮かべただけで、ジーンとしてしまいましたぞ。

 この映画が5月22日に封切りとなる。頼むからそれまでには「武漢肺炎」(「二階肺炎」とも言う)を封じ込めておくれ。