役員会

 夕べ、地元の寄り合いがあった。20人程度の地元の役員が大きな会議室に集まって、武漢肺炎の蔓延にともなって、今後の地元イベントをどうするのか、というようなことを話し合った。それにしても、マスクをしているのはワシャを含めて数人程度で、後の役員は、高齢者にも関わらず、普通に顔を露出しているんだね。会社のほうではほとんとの社員がマスクを着用しているので、地元の人たちの温さを感じてしまった。

 ワシャの場合、この時期は花粉症にやられてしまうので、なるべくマスクを着用する。だから着け慣れていて違和感はそれほどない。しかし、そうでない人たちは花粉症でもなく健康に不安がなければ、マスクを日常的にするなどということはないんだな。

 

 会合後、長老から飯を食いにいこうと誘われた。ワシャはそれでなくとも地元から、なんやかやと言われる立場にあり、それにこの尖がった性格でしょ(笑)。いろいろと地元の有力者たちが口うるさいんですわ。だから、付き合えるところにはなるべくつき合うようにはしている。

 それでね、役員7人で、近くの中華料理屋へ行った。

 

 そこでタイムリーな「武漢肺炎」の話を中心に、それぞれの体調のことや、地元の誰それの近況など、およそワシャには興味のない話が延々と続く。これが面白くなくてね、「下手の話し好き」ってやつですわ。ワシャは「座談の名手」を何人か知っていて、彼らの話は、薀蓄があって、新たな気づきがあって、さらに話の段取りがきっちと組まれているので、ついつい話に引き込まれる。

あるいは、気のおけない仲間であれば、適宜、会話のキャッチボールができるので、話していて飽きない。

ところが「下手の話し好き」はだらだらと脈絡もなしに「牛の小便」のようにいつ終わるともなく・・・。

昨日も、ある最年長の役員の思い出話がはじまって、まわりは神妙な顔をして聞いている。その中にワシャもいるのだが、話の内容はほぼ耳から耳へ素通りしていく。ワシャはペラペラと動く爺様の口元を見ながらビールグラスを空けているだけである。

「ワシャはなんでこんなことをしているのだろう」と思った途端に「ハハハ」と自嘲の笑いが口をついて出てしまった。

 これが最年長の役員には「受けたんだ」と思わせてしまったでしょうね。さらに話に拍車がかかりそうになったので、「そろそろお開きにしましょう」と新参のワシャが場を仕切って、解散とあいなった。あ~おもしろくなかった(笑)。