本が増えます

 年が新たになってから、昨日までに51冊の本を購入している。『平成世相風俗史年表』(河出書房新社4620円が一番高かった本で、安いのはブックオフ110円だった。昨日、仕事が終わって近くのブックオフに寄って、何冊かの新書を買う。取りあえず気になっている著者を探し、本の著者ばかりを目で追う。タイトルは一切見ないので、確認が速いんですね。「佐高信」とか「池上彰」などは素通りだ。気になっている著者で目を留め、その時はタイトルを見る。持っている本ならばもちろん素通りする。

 昨日は「石原慎太郎」で止まった。タイトルを確認する。『エゴの力』(幻冬舎新書)だった。これは持っていない。この段階でようやく本を手に取る。そして目次を確認する。内容が面白くなければ買うつもりはないからね。

「第1章 個性の発露」。「第2章 恋愛、夢」。「第3章 スポーツ、肉体」、ここで「死の捉え方にもエゴが表れる」という項目に当たった。「死」はこのところ探求しているテーマのひとつだ。さっそくページを繰って、そこを読んでみる。おもしろかった。石原さんは、戦時中に大蔵大臣だった賀屋さんとの話を綴っている。

《「先生はご自分を含めて、人間が死ぬというのは、どんなことだと思っていますか」と質したところ、賀屋さんが肩を竦めて「いや、人間が死ぬということは実につまらんことですね。私にはだんだんわかってきたが、人間は死ぬと一人暗い道をとぼとぼと、あてもなく切りなく歩いていくんです。そしてそのうちに自分を失って悼んでくれた家族も私のことを忘れてしまうし、そうやって歩いていく自分のことも忘れてしまうんですな」とおっしゃる。》

 ううむ、賀屋さんの考え方は、般若心経だな・・・と思った瞬間にカゴに入れていた。

 その本の横が、やはり石原さんの『真の指導者とは』(幻冬舎新書)である。これもワシャの書棚にはない。でも、ワシャは組織を離れてしまっているので、「指導者論」は今さらという感じだなぁ。でも一応目次だけでも当たっておこう。

 第1章から、項目を目で追う。「自分の頭で考え決断する」「自立のための手だて」「独自の戦略を持つ」「リーダーとしての自覚」・・・ううむ、ありきたりだな、これは止めですね。たとえ110円といえども無駄な本は必要ない。それでも、目次の項目だけは最後まで見ておくか。ペラリと次のページをめくると、のっけに「死生観」という中項目があった。さらに小項目に「印象的な先達の死生観」とある。おっと、こいつは中身をあたっておこないとね。ページを繰って見ると、石原さん、ジッドの『地の糧』を引用しながら、こう言っている。

《経営者であろうと、単なる個人であろうと、人生を通じて自分自身を表現しきって死ぬというのが人生の理想的な原理だと思います。》

 また、友人の植村直己さんとのエピソードが挿んであり、石原さんが植村さんの冒険を賞賛すると、こう応じてくれたそうだ。

「いや、僕はただあれをしたいからしているだけですし、自分にとってさしたる冒険とも、危険極まりない行為とも思わない。逆に、この都会にいると私は一月(ひとつき)もすると息苦しくなってくる。それにもめげずに、それぞれの職務のために飽かずに、この大都会に生活をつづける人間のほうがはるかに勇気があると思います」

 この前後にも興味深い話があって、またそれが「般若心経」につながっているので、これまた「買い」ですわな。

 この『真の指導者』は、さらに尾を引いた。

 単行本のコーナーに行った時に、いつもなら素通りのトップに入ってくる「小池百合子」で引っ掛かってしまった。

 石原慎太郎の「リーダー論」を見たばっかりだったので、東京都のてっぺんにいる「小池百合子」が妙に絡んじゃったんですね。それにこのところの学歴詐称問題もあって、プロフィールの読めば「エジプト国立カイロ大学文学部社会学科卒」と書いてあるし(笑)。中身を確認すると、カイロ大学のことを滔々と騙っているし・・・「語って」でしたっけ。

 いかんいかん、駄本でも脈絡がつながると「買ってしまう」んですね。そんなわけで、日日、ワルシャワ家の書庫は膨張し続けるのであった。

 

追伸:今日、愛知県安城市片山さつき参議院議員がやってくる。もう少し他の人選はなかったんかいな!

 松川るい氏とか三原じゅん子氏とか。丸川珠代氏でもまだいい。タイムリーなんで河井案里氏でもよかった(笑)。よりによって・・・。