はじめてのクラシック

 昨日、地元の小ホールでヴァイオリンとピアノによるクラシックコンサートがあった。主催者にちょいとした義理があって、仕事が終わってから顔を出した。会場は250人収容のホールで、そこに30数人の客入りだからガラガラである。これがこの町の文化レベルなのだろう。閑散とした客に、それでも精一杯の拍手で迎えられたヴァイオリニストとピアニストが手を抜かず一所懸命のパフォーマンスを聴かせてくれた。

 ワシャは弦楽が好物なので、ハンガリーの音楽家ソモラ・ティボール氏のヴァイオリンはとても聴き応えがあった。音楽会は「はじめてのクラシック」と銘打たれており、選曲は「よく耳にするもの」が多かったが、しかし演奏のレベルは、なかなか西三河の田舎で聴ける代物ではない。しっかりと2時間堪能させてもらった。

 口開けは、ブラームスの「ハンガリー舞曲№5、1、7」。ピアノの迫力とヴァイオリンの繊細な高音が聴かせる。「ニューシネマパラダイス」「シンドラーのリスト」「ディズニー・メドレー」と続き。前半の最後はサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」だった。オーケストラではなくピアノの伴奏だけ。それだけにヴァイオリンの音が際立ち、これは弦楽好きは癒されまっせ。ヴァイオリンならではのせつない調べがたまらない。

 後半は、モーツアルトの「ヴァイオリンソナタ.304」。演奏後段のヴァイオリンがいいねぇ。次に「ジブリ・メドレー」があって、「魔女の宅急便」「ラピュタ」「ハウル」「トトロ」とこれは聴きなれた曲ばかりなので安心して弦の振動を堪能できる。3番目がラフマニノフの「ヴォカリーズ」、ピアノだけの小品を2つはさんで、バッジーニの「妖精の踊り」、これは高度なヴァイオリン技術が問われる曲で、ティボール氏の見事な腕前が披露された。その指さばきに目を見はった。そして最後がバルトークの「ルーマニア民族舞曲」で締める。ルーマニアハンガリーというとどうしてもエスニックな感覚が残っているのだろう。日本人にはとても聴きやすい曲想だった。

 アンコールで、よく聞くハンガリーの曲をやってくれた。物悲しい曲で、クラシックに詳しい友だちなら「あの曲ね」と分かるんでしょうけど、昨日はお休みだったので、ワシャの知識では曲名が特定できない。あ~気になる~。

 でも、とても穏やかな2時間を過ごすことができた。

 

 今朝の朝日新聞トリエンナーレで味噌をつけた津田大介氏の言い訳がでかでかと出ていた。内容はツッコミどころ満載だったが、まずは昨日の音楽会のことを書かなければということで、津田氏へのツッコミは、また明日ということで。