がんばれ天声人語クン

 タイトルは、友達のユッキィさんのブログタイトルをパクリました(謝)。

 

 それにしても「天声人語」の劣化が甚だしい。今朝のは、大半がウィキペデアで書ける代物だ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%AA%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%83%92

あるいはコラムの中で紹介している教授の書かれた「評伝」を一冊読めば全部が書けるレベルの内容でしかない。書き出しを写す。

《日本にスキーを伝えたのはオーストリア・ハンガリー帝国の軍人レルヒである。明治の末、新潟県や北海道で1本杖スキーを初歩から教えた。故国オーストリアでは有名人なのだろうか▼「知名度は低め。日本でスキーの伝道者として敬慕されていると報じられ、著名人入りした格好です」とレルヒに詳しい新井博・日本福祉大教授(62)。ゆかりのウィーンやプラハで研究し、評伝を著した。》

 以降、年譜のようにレルヒの事歴を羅列する。締めの文章は《映画かドラマの脚本を書いてみたくなるほどの波乱に満ちた後半生ではないか。》とありきたり。700字のコラムがこの程度では、観客や視聴者の興味を長~く引っ張らなければいけない映像のシナリオが書けるとは思えまへんで。

 上越市で開催された「レルヒ祭」

http://www.joetsu-kanko.net/special/lerch/

も先週末で終わっているし、タイムリーなネタでもない。魚なら腐っている。先の日曜日に載っていれば、「その日のネタ」的にはドンピシャだったのにね(哀)。

ワシャだってこの愚日記で、その日のネタを扱う。例えば今日ならば、「北方領土の日」だったり「平敦盛」の命日だったりする。「北方領土の日」なら、まさに安倍・プーチン会談でホットな話題ですわな。「平敦盛」の話なら「一の谷の合戦」から話を起こして、歌舞伎の「熊谷陣屋」に発想を飛ばしてもいいし、能の「敦盛」に展開してもいい。あるいは今日が「ガダルカナル島の撤退が完了した日」でもあるので、そちらに話を膨らませ、朝日お得意の反戦コラムにしても、時期おくれのレルヒの話よりはまだまともなコラムになるだろう。

 もう少し努力しろよ。天声人語クン。

 

 ちなみに、以下に天声人語と同じ700字で今日をネタにして書いてみました。所要時間は1時間でした。

 

 16歳の若者が今日、その短い生涯を閉じた。浜辺で屈強な男に組み伏せられ、首を討たれる。凄惨な書き出しとなったが、これは歌舞伎の話である。都を落ちた平家一門が、滞陣する一の谷(神戸市)に源氏勢が急襲をかけた。源氏方に熊谷直実という武将があり、波打ち際で、平家の若武者に追いついて、組みつくのだが……。それが、いかにも位の高そうな幼く美しい公達だった。熊谷には、同世代の息子があって、ここで非情にはなれなかった▼「この君一人助けしとて、勝軍(かちいくさ)に負けもせまじ。折ふし外に人もなし、ひとまずこゝを落ち給え、早う早う」と、戦場から逃そうと図るのだが、折悪く、源氏方の武将が駆けつけてきて、その現場を見つけてしまった。熊谷は泣く泣く敦盛の首を落し、これにてこの戦場での戦は終わった▼時を超えて、760年後のことである。一幅の絵のような源平合戦とは対極にある地獄の戦線がようやく決着を見た。南太平洋ガダルカナル島で、米軍と死闘を繰り広げた第二師団の最終部隊が、2月7日の今日、闇にまぎれガ島を離岸したのだ。戦死者、戦病死者、餓死者は19200人に及ぶ。地獄の島の波打ち際で、幾たりの若き敦盛が命を落としたことか▼戦争は悲惨である。それは源平合戦大東亜戦争も同様である。戦争はしないほうがいいに決まっている。では、どうするか。「9条教」の祈りを捧げていても屁の突っ張りにもならず、ここはリアルに武装をして、相手が仕掛けてきたら「必ず火傷をしますよ」と警告を発信し続けることである。実際に最貧国である北朝鮮が、核武装という手段で最強国アメリカと五分に渡り合っている。極東の平和ボケ国家はいつになったら、北朝鮮並のリアリストになるのだろう。