昨日の「天声人語」を、作家の日垣隆さんがFacebookで、久しぶりにこき下ろしてくれた。気持ちかった。ワシャの「天声人語」への疑問は、日垣さんが2002年の「文藝春秋」に寄稿された「天声人語」批判が原点である。それが日垣さんの『エースを出せ!』(文藝春秋)になりベストセラーとなった。ハードカバーも文庫もどちらも複数冊もっているほど熟読した。
その「天声人語」キラーが、昨日の駄コラムを斬った。その駄コラムの冒頭はこれね。
《シドニー五輪の年に生まれた娘は聖火にちなみ「せいか」。続く息子たちも、誕生年に開催された五輪から「亘利翔(ギリシャ)」「朱李埜(トリノ)」。橋本聖子さんが自著の『オリンピック魂』で命名の理由を説明している▼父が付けた自身の名も聖火に由来する。幼いころ、その父から「補助輪を外しても自転車に乗れるのか…》
冒頭チョイ見せ朝日は、ここまでしか読ませてくれない。「残りは登録して金を出してからだ!」と強気だ。しかしワシャは新聞紙を買っているし、そんな駄コラムをネット上で見るのに、なんで手間と金をかけなきゃいけないんだ!ホント、面倒くせー新聞紙だなぁ。
でもね、この冒頭のチョイ見せだけでも、「天声人語」の浅い目論見が透けて見えてくるでしょ。「聖火にちなんだ命名」で、組織会長に就任した橋本聖子ネタだなと馬の脚が見えてしまう。朝日新聞本社の図書館にあった橋本聖子本からの引用で、600字中430字を埋めてしまうという荒業をやってのける。さらに橋本氏が森元首相を恭敬していることに触れているが、そんな情報はバラエティでさんざんやっていたので、いまさら教えてもらってもねぇ(笑)。
日垣さんは言う。
《コラムにはヤマもユーモアも教訓もオチさえなく、こう終る。「乗れぬ自転車(橋本聖子さんは乗れていたのだよ)に乗れるフリをする必要は全くない」な、ん、だ、こ、れ、は!?》
橋本本の中に、自転車に乗れない娘(橋本氏)を池に落として虐待する父親の話があって、「これは犯罪ではないか?」と日垣さんは指摘している。
そのために努力して自転車に乗れるようになった・・・というエピソードを「天声人語」が美談として使って、最終的なオチが、「任にあまる組織委員会の会長職をできるフリをしなくていいよ」と言っている。
子供への虐待ネタを肯定的に使い、それも人の本からの完全なパクリで字を埋めて、その上に「ヤマもユーモアも教訓もオチもない」って、これって詐欺じゃん。
相変わらずの「天声人語」のほうには、「つまらん」という思い以外はないが、久しぶりに「天声人語批判」の横綱の文章が読めたのはうれしかった。