言い訳

 ワシャは「週刊ポスト」を隔週で買っている。それはエロ好きだからではないえろ。それは隔週で評論家の呉智英さんのコラムが掲載されるからである。でね、呉さんのコラムは過激すぎて、時おり落ちる。呉さんに「どうかされたんですか〜?」と休載理由をお尋ねすると、さすがの「週ポス」でも「これは掲載できない」ということがあるのだそうな。
 例えば、次から次へと人を殺した名大生女子がいましたよね。あの女子は人の命を奪うということに関してまったくの罪悪感を持たない。ある部分の心が欠落しているわけだ。
 そして現行で行われている死刑執行については、執行官はふつうの心を持った方たちなので、執行時に強いストレスがかかる。精神的に負担が実に大きい。ここで呉さんは提案する。「だったらあの名大女子に死刑執行の仕事をさせればいいじゃないか。普通の精神をもった執行官たちは、その苦業から解放され、女子はなんの躊躇もなく仕事を処理していく……」というような話だった。
 やっぱり呉さん、過激だ(笑)。

 そんなわけで、隔週で「週ポス」を買っているのは、エロとは関係ないことを説明できたと思う(エヘン)。
 でね、今週号なんだけど、もちろん呉さんのコラムは面白かったが、「寿影」というグラビアページのコーナーが興味深かった。新しい「遺影」のかたちを示すということで、ゲストの遺影のような顔写真が載っている。今回は石倉三郎さんだった。三枚目なりにいい顔である。年を重ねて滋味がにじんでいる。
 そのことは措いておく。ワシャが気になったのは、写真下で石倉さんが高倉健さんから戴いたペンダント裏の刻印の文言が紹介されていて、それがよかった。
「冷に耐え 苦に耐え 煩に耐え 閑に耐え 激せず 騒がず 競わず 従わず もって大事をなすべし」
 ううむ、健さんらしい、そして石倉さんに贈るのに相応しい言葉ですね。

 落語評論家(?)の広瀬和生さんの「落語の目利き」も面白い。今回は「付き馬」について書いている。広瀬さんは三遊亭兼好桃月庵白酒のものを押していた。ワシャは、立川談志古今亭志ん朝の「付き馬」が好きでヤンス。

 ということで、ワシャは「週ポス」を買っているけれど、エッチな気持ちはこれっぽちもなかったのであった。めでたしめでたし。