年度内に100万人

 ワシャの住んでいる街の図書館が去年の6月1日にオープンした。それから303日の3月30日に入館者数100万人を達成したという。
 たまたまその関係者に聴いたんだけれど、100万人の決定の裏には大変な状況があったのじゃ。
 まずこの施設、入口が3つある。つまりどこの入口から100万人目が入ってくるのか判らない。それを特定するのに、1Fの2カ所、2Fの1カ所に職員を一人ずつ配置し、それぞれにトランシーバーを持たせた。責任者は事務室にある3つの入口を捉えたモニターの前に陣取る。999,900人からカウントダウンを始めた。カウンターを見つめる職員がコールを始める。
「90です」「60です」「50です」「40です」「30です」「20です」「10です」「9、8、7、6、5、4、3、2、1」
 責任者がモニターを指さし絶叫した。
「この人じゃあああああ!」
モニターには、男の子の手を引いて、胸に赤ちゃんを抱っこしている女性が映っている。他のモニターには人影はない。
「この女性を確保するのだ」
 責任者の指示で、すぐに入口で待機している職員に指令が飛ぶ。10秒後「確保しました」という返信が入る。事務所内にどよめきが起こった。
担当は、確保と同時にその人に名前出しの取材などが大丈夫かどうか確認をとる。以前にあったでしょ。兵庫県会議員が、政務調査費を使ってカミさんと観光旅行している最中に、天草キリシタン館の400万人目になってしまった間抜けな事件が。
http://girlschannel.net/topics/180096/
「あなたが400万人目です」といわれて、ついうっかりと(アホ)取材を受けてしまった。
《記念すべきお客様は、兵庫県からお越しのご夫婦。旅行中でしたが式典への参加等快くご承諾くださいました。》と、天草キリシタン館のホームページにはあった。
 こんなことがあってはたまらないので「取材の可否」の確認を取るということらしい。
 昨日の100万人目は、近所に住むお母さんと息子さんで、顔出しオッケーだったのでホッとしたという。
 関係者は年度内に100万人が達成できてさらにホッとしていた。