カワヅザクラと天守閣

 日曜日にちょいと所用で大垣まで行ってきたのじゃ。まぁ商店街の検分のようなものであった。2時間ほど、駅南の商店街を何かないかとうろうろしていた。ご多分にもれず駅前商店街は疲弊している。でもね、16万都市にしてはいろいろあるし、やはり往時の西濃の中心地だった面影は残っている。少なくとも三河では、豊橋くらいの平面的な規模はあるのではないか。この時代にあっても、フルメニューの店舗がポツポツとだが、商店街(通りではなく)に散見される。大垣城の東にはソープランドも現役で営業をしていたのには驚いた。もちろん入りませんでしたが、手書きの「新人さん大募集」のポスターが妙に生々しかったですぞ。
 飲み屋横丁なんかの跡も残っていたが、そこはもうほぼ絶滅している。鉄筋コンクリート共同住宅も、どうだろう、築50年は経過しているような、そんな古く錆びたビルが、でも大垣に合うんですね。友だちのセコミチさんなら、速攻で食いつきそうなたたずまいが並んでいたのでした。

 街ばかりではない。ワシャは城好きでもある。ホントは城跡好きなんだけど、まぁ天守閣があっても縄張りとか、郭が明瞭ならばそれはそれで楽しい。大垣城天守閣周辺が残っているものの、全体の総廓はよく解らない。
クソ面白くない話だが、大垣空襲で天守などが焼失している。アメ公が日本人の誇りを完膚なきまでに汚そうと、あえて焼夷弾の標的にしやあがった。文化に対する憐憫がまったく感じられないアメ公のやり口にはむかっ腹が立って仕方がない。空襲に遭う前の大垣城は国宝だった。そういったものを簡単に焼き払える連中を心から軽蔑する。
 いかんいかん、つい憤ってしまった。城に行ってうろうろしたのだった。なにしろ白い城のある風景は著(しろ)し。城跡の公園にあるカワヅザクラは満開で、そこから見上げるの天守の風格はおもむきがあったのだった。カワヅザクラの下のベンチで隣り合わせた子供と一緒にうとうとしてしまいましたぞ。
 いい休日だった。