名古屋城問題その2

 昨日のつづき。
 今日の朝日新聞三河版にも「名古屋城問題」が大きく取り上げられている。そこでは奈良大の千田教授が発言していた。この人の意見は単純でいい。
《現存する『本物』で国宝の姫路城や犬山城天守閣にエレベーターを付けるかと言われると、私も賛成できません。だが名古屋城の木造新天守が『本物』という考えはおかしい。国宝の銅鐸のレプリカをどれだけ精密に作っても、国宝にはなり得ません。》
 そりゃそうだ。平成の次の時代に造った天守ということでしかない。だからワシャはそれでも木造で復元し二百年、三百年を経過すれば、重要文化財ぐらいにはなるだろうと思っている。精密に作った銅鐸のレプリカだって2000年くらいが経過すれば重文クラスの扱いは受けるでしょ。だから天守を再築するならは、史実に忠実にと考えている。
 だけど、現在のコンクリート天守でも60年の風雪に耐えて、いい雰囲気を醸している。横っ腹のエレベーターが無粋だけれど、これをそのまま使っていけばいいということはこの日記に書いてきている。木造再建はしなくていい、現天守の大改修で充分だ。しかしするのであれば徹底的に本物に近いものにしてほしい。
 千田教授は続ける。
《そもそも現天守耐震強度が不足しているとして建て直すはずなのに、史実通りの再建では耐震強度が足りません。さらに避難経路を設けて電気も通すのだから、21世紀の建物に他ならないのです。》
 なるほど、名古屋城天守閣の問題を、「人権」だの「平等」だのといった陳腐なサヨク思想で語らないから説得力がある。