播磨から三河へ

 ワシャは城好きである。厳密に言うと城跡好きですね。石垣、土塁、堀などが残っているだけの城址は想像をかきたててくれるので飽きない。もちろん天守閣や櫓なども勇壮でいいけれど、名古屋城のように天守の横っ腹にエレベーターの箱をくっつけちゃぁダメだ。障害者に配慮するのはいいが、そもそもなかったものを景色の中に入れ込んではいけない。少し金がかかってもいいので、見えないところで工夫をしなければ。
 話がずれた。姫路城のことである。平成21年からはじまった平成の大修理で、天守閣は覆いで隠されてしまった。その覆いがとれたというので、こいつは見ておかなければなるまい……ということで姫路を訪ったというわけである。
 天守閣の東には天守より高いクレーンが2基並んでいたが、ちょいと目障りだったが、それでも久しぶりに白鷺を拝見いたしましたぞ。ううむ、城跡好きだが、歴史に生き残った城郭というのも味わいがあって悪くない。久しぶりなので、城内をあちこちと歩き回り、しばし歴史と戯れた。とくによろしいのが天守閣の南の備前丸の石垣だ。ゆうに15m以上はあるだろう。打込接(うちこみはぎ)の石垣は、実に美しい。ちなみに打込接というのは、積み石の接合部を少し加工して隙間を減らした石積みのこと。
 久しぶりに姫路城を訪れて、よくぞアメリカの無差別爆撃を無事に生き残ってくれたものよと感慨しきりであった。
 姫路城を出て、観光地化された一角での食事を見合わせ、少し歩いて大手前公園の南にあるイーグレひめじ
http://www1.winknet.ne.jp/~egret-himeji/
の中にある「千姫茶屋」で播州うどんを食したのだった。あまり期待していなかったのだが、これがなかなか美味でしたぞ。
 その後、姫路文学館に立ち寄って司馬遼太郎に再会し、午後3時過ぎの新幹線で愛知県にもどったのだった。あ〜楽しかった。