今年も早々と七味五悦三会

 日曜日に岡崎シビックセンターで、エドガー・モローのチェロコンサートがあった。
 何と全16曲を堪能して3000円だった。これはお得だった。
 特に良かったのがチャイコフスキーの「感傷的なワルツ」。次が、グラズノフの「吟遊詩人の歌」、う〜ん、サン=サーンスの「あなたの声に心は聞く」もとても感じ入る曲だった。ラフマニノフの「ヴォカリーズ」も選外とするには惜しいのう。
 といいつつ、どの曲も堪能した。ワシャは弦楽が好きなんだということをあらためて実感した。とくにチェロはとくに好きかも。このコンサート、友だちのユッキイさんに教えてもらった七味五悦三会の五悦に入ってくる楽しさだった。
 その後に岡崎駅前の居酒屋に入ったのだが、ここで食った馬刺しが美味じゃった。熊本産だそうだが、今までワシャが食った馬刺しの中では、間違いなく上位に入ってくる代物だった。七味当確だ。

黒澤明DVDコレクション」の3が出た。『赤ひげ』である。三船敏郎が主人公の新出去上(にいできょじょう)を演じているが、その存在感があまりにも大きい。船越栄次郎がNHKのBSプレミアムで、やはり新出去上を演じていたが、太陽に並んだ月のようで、まったくその存在が見えなかった。格の違いと言ってしまえばそれまでだが、三船のほとばしるような気迫は「凄い」の一語に尽きる。
 その三船の『赤ひげ』、それこそ30年ぶりくらいに観たが、名作というのはまったく色あせないものなんだなぁ。むしろ観る方が年齢を重ねているだけ、切実感というか、切迫感のようなものが高まってくる。つい先日も田舎の葬儀に列席し、人の「死」について考えさせられたところであった。順番で行けばそう遠い話でもないですからね。そのあたりが『赤ひげ』の中でリアルに語られている。六助という苦労に苦労を重ねた老職人の死、左八という善良な若い男の死、それらの死を冷徹に見つめながら、夫を刺した女を助け、遊廓から少女を救い、狂った女を生かすために必死に走り回る。生の厳しさをも見せてくれる名作だった。
 
 新出去上が三会に入ってくるか。