今朝のニュースから

《全職員3700人に「禁酒令」 宮崎市、忘年会シーズンに1週間 酒気帯びで摘発受け》
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171212-00010000-nishinpc-soci
 それはおかしい。悪いのは飲酒運転をしたボケ職員である。連座するならそれを許してしまった市長、幹部、人事系の職員までで、一般の職員は関係なかろう。全職員に「禁酒令」を出すとは……このセンスの無さが飲酒運転などを許してしまう土壌になっているということを自覚しなければいけない。全職員禁酒令を具申した職員も職員だが、それを了解した市長もアホだ。市長が言い出しているとしたら、どうしようもない。
 そもそも、3700人の職員が忘年会や懇親会で地域に及ぼす経済効果を考えてみたまえ。止めちまえば0円だ。みんなで気を付ければいいのであって、あらかじめ決まっていたものを一概に「禁止」するなんていうのはファシズムである。

 辰濃和男氏の訃報が朝日新聞に出ている。辰濃氏とは、「天声人語」の執筆者の中でも名文家として有名だった人である。ワシャも辰濃氏の本は何冊か持っている。例えば『文章のみがき方』(岩波新書)、『天声人語 人物編』(朝日新聞社)『天声人語 自然編』(朝日新聞社)などである。その『自然編』に「冬の星」というコラムが載っている。36年前の12月12日に書かれた天声人語である。星の呼び名からはいって、東京の夜空に移り、ギリシャ神話にもっていく。上手い。そこから「重力レンズ」の話に発展し、《二年前の観測で発見された双子の準星は、実は重力レンズによる虚像だったらしい。》と当時の最新の科学情報も盛り付けている。結びは《ひとりになって天上風景を見上げるとき、明滅する星の脈動は人をさえざえとした気持ちにさせてくれる。星は、崇高なもの、ついに近づき得ぬものがいつも存在していることを、私たちに教えてくれる。》と、締めくくっている。展開が多く、しかしラストでうまくまとめたいい文章だ。
 それに比べて今朝の天声人語はいつもどおりひどい。カズオ・イシグロの話で入って、カズオ・イシグロの話で継いで、カズオ・イシグロの定型的な感想で400字/600字使う。そこからむりやり「平和」「加害」につなげて、「今月は南京虐殺のあった月」ときたもんだ。そもそも「南京虐殺」なんかなかったのだが、こうやってむりやり結びつける天声人語の品のなさと文章構成の下手さに目が覚めたわい。