乱世よのう

 愛知県西尾市がガタガタしている。発端は7月25日の市長選だった。現職の高齢市長が落選し30代の若い市長が誕生した。それ以前に西尾市はけっこう強引に「公共施設再配置事業」を進めてきた経緯がある。その内容は、新設5・改修12・運営7・維持管理168を一括して単独の企業グループに198億円で委託するというもので、その「見直し」を公約にして出てきたのが新市長だった。
 PFI(民間資金活用による社会資本整備)という手法をつかった斬新なものではあるが、計画が少し大雑把に過ぎる。いくらなんでも市内全域の施設を198億円ってダイエープライスではないのだからね。ポンと一括発注というのはいかがなものか。
 新市長就任後、PFIを積極的に進めていた次席副市長が更迭される。そして筆頭副市長もPFI推進派に背中を押されて退任をした。現在は、副市長不在の状況が続いている。それでは行政が立ち行かないので、行政の中から職員が副市長になる段取りはついた。しかし、先週の臨時市議会で市長の発言がブレてしまう。議会との事前調整の中で、副市長を承認する代わりに「PFI見直し断念」を表明するはずだった。それを議場で「やはり継続」と約束を反故にしてしまう。これには議会も行政も腰を抜かした。
 先週の中日新聞には《コロコロと変わるトップの考えに、市幹部は「ようやく前に進める好機だったのに。周りが振り回され、市長が信用されなくなるだけだ」と話した。》とある。
 確かにそうだろう。しかし、それは市長をフォローしなければならない行政の責任もあると思う。市長は初心者マークがついている。だからこそ、元職員の副市長も含めて職員がその方向を修正していかなければいけないのではないか。少なくとも更迭された次席副市長はともかく、もう一方の副市長は踏みとどまって市長を諌めるべきである。
 トップを裸にしてはいけない。それはある意味で部下の責任である。対外的な意見をコロコロと変えさせないための事前調整やレクチャーが重要なのであり、それを一所懸命にやるのが事務方の仕事じゃないのか。

 もう一つ、これは某市ということにしておこう。某市を含む小選挙区保守系と元民進系の候補がそれぞれ立って戦った。某市の首長、元民進系の候補には「為書」を送った。保守系候補とは仲が悪いので送らなかった。これが問題になっている。某市議会の与党議員は保守系候補を推して必死に選挙戦を戦っている。だから彼らの顔を立てるためにも、好き嫌いを超えて「為書」くらい出しておけばよかった。そんなもの気持ちの問題だけで労力としては大したことではないのだ。そんなことでシコリを残しても百害あって一利なしだと思う。