卯花墻(うのはながき)

 三井記念美術館所蔵の茶碗である。
http://www.mitsui-museum.jp/collection/collection.html
 ホームページのトップに出てくる。志野の名碗である。昭和の名工加藤唐九郎がこの茶碗に魅せられて志野にのめり込んでいったのは有名な話。「卯花墻」なくして「紫匂」も「鬼ケ島」も「亜幌」も生まれ出でなかったろう。
 ワシャは愛知県陶磁博物館で加藤唐九郎の絵志野「鯨帯」(くじらおび)
https://www.pref.aichi.jp/touji/collection/10/collection/25.html
を観たことがあるのだが、その存在感に驚かされたものである。まぁ「すごい茶碗だ」という先入観と1800万円という市場評価も多少は手伝っていると思うけど。それにしてもさり気なくお茶会で「鯨帯」が呈されれば、やはり見入ってしまう、魅入られてしまうのは間違いない。その「鯨帯」ですら「紫匂」や「鬼ケ島」には勝てない。そしてそのまた上に「卯花墻」が君臨しているのである。

「卯花墻」のことだった。四百年の時を超えた茶碗はガラスケースの中に納まっているのだが、真剣に触りたい。掌に乗せて重さを、吸いつくような肌合いを感じたい。志野茶碗にしては小ぶり。しかしワシャにはけっこう大きく見える。釉薬の白さを卯の花の白さに見立てて、そこに鉄釉で垣の文様が描かれてある。見事な逸品だ。唐九郎がこう評している。
「茶碗に限らず、実物より大きく見えたり重く感じたりするものほど名品だ。堂々として、まさに背勢の、武士好みの茶碗だね」
 名碗よ永遠なれ。

 日々変質、変色、腐敗していくものもある。その名は政治屋。こんな有象無象を名器と比較するのも無粋で嫌なんだけど……。
 希望の党で当選した議員の7割が「安保法制反対」を言い出した。こいつら真性の阿呆だな。曲がりなりにも小池百合子の突破力にかけて衆院選を戦ってきたんじゃないのか。おまえら民進党の候補だったら間違いなく落選しているぞ。それが舌の根も乾いていないのに、もう逆のことを言いはじめる。議員というよりも人間としての矜持はどこに捨ててきた。
 中国地区の比例で当選した柚木道義が「ひるおび!」で手のひらを反したように小池批判を喚いていたが、その他のコメンテーターから一斉攻撃を受けていた。あのアホの室井佑月ですら柚木のいい加減な態度に怒っていたくらいだ。アホにもわかる卑怯者だということを自ら暴露してしまった。
 でも、これでいいのだ。夕べの「プライムニュース」がかなりおもしろく、落選した若狭勝氏がゲストで来ていて、かなり踏み込んだ裏話をしていた。細野豪志氏や参議院議員松沢成文氏が選挙前夜の希望の党の動きなどを正直に話していた。少なくとも、結果が出た途端に執行部批判を喚いている連中よりも冷静で真摯だった。
 希望の党からは、また鼠か猿が動いていくだろうが、そんなものは端から要らない。猿ものは追わず。そのほうが希望の党の方向性が明確に打ち出せるだろう。

 ガソリーヌはやはり立憲民主に入る。7区の有権者の選択は相変わらずの社会党民主党(左)−民進党(左)の肯定という流れでいいということらしい。喉元過ぎれば、また熱湯を飲むという愚かさ。
 菅直人赤松広隆枝野幸男海江田万里長妻昭、安倍知子、辻元清美、まさに悪夢の政権が甦る。